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an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

ミンチョ川のボルゲットにて

心の琴の音

 ここ数日、ガルダ湖周辺でちょっとした家族旅行の時を過ごした。計画など立てず、地元の人たちに勧められるまま、小さな村や城跡を巡った。

 特に気に入ったのが、ガルダ湖から流れ出るミンチョ川沿いにあるボルゲット Borghetto(「小さな村」という意味)という村で、イタリアの最も美しい村の一つとして選ばれているようである。

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(橋の上から見た村)

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(村のすぐ近くにある、ミラノ公国のヴィスコンティによって1395年に建造された橋。領地を守る水門として機能していたようである。)

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(1714年に描かれた村の様子。当時は、MincioがMinzoと呼ばれていたことがわかる。)

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 村の歴史を調べてみると、ナポレオンとオーストリアとの戦いや、イタリア統一の時の戦場にもなっていて、この穏やかな水の流れが血に染まったこともあったようである。

 現在の村の中は観光地として整い過ぎている感があるが、川沿いの散歩道に座り、目を閉じてせせらぎを聴いているだけで、何だか心が癒される。

 私のようにただ黙って川の流れを見つめている人が何人もいたところを見ると、人間の営みを超えて、平和な時も愚かな争いの時も、変わることなく滔々と流れ続ける川の姿に、畏敬の念にも似た、なんとも言い表し難いものを感じるのは、人の心に共通するものなのかもしれない。