an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

シンガポールのドミニク・ヤオ氏に関する検証


Rev Dominic Yeo - When the Brook Dries Up -1of3 - upgrade from condo to landed house

 添付したビデオはシンガポールのトリニティー・クリスチャン・センター(Trinity Christian Centre)の主任牧師であり、シンガポールのアッセンブリー・オブ・ゴッド教団の理事長でもあるドミニク・ヤオ氏が、「信仰」をテーマに話しているものだが、特に7分50秒からの「デモンストレーション」に注目していただきたい。

f:id:eastwindow18:20171010163603p:plain

  おそらくヤオ氏自身は意識していないだろうが、私にはこのシンボルがとても暗示的に見える。というのは、客観的に見てこのシンボルが表しているのは「相互依存」であり、それは聖書が啓示する信仰の本質とは全く異なるからである。勿論、信仰生活には信仰者同士の相互的関与が不可欠であるが、真の信仰は隣人の信仰の在り方に依存するわけではなく、たとえ私が信仰を失うことがあっても、私の隣りにいる信仰者は聖書の真理に基づいて、個人的に神への信頼を保つことができるのである。

 そもそも聖霊によって新約聖書に啓示されている真理を、ショーなどで使い古された手法で説明する必要があるのか、甚だ疑問である。おそらく旧約聖書の預言者たちがしばしシンボリックな行動で神から直接受けたメッセージを伝えていたというのが、正当化の根拠として利用されているのだろう。よくあるレトリックである。

 先述のトリニティー・クリスチャン・センターのサイトの牧師プロフィールには、「強烈な使徒的油注ぎを受けた預言者として広く認められている」とある。

f:id:eastwindow18:20171010160012p:plain

 

 以下にビデオは2012年9月8日のもののようだが、同じシンガポールのシティー・ハーベスト・チャーチ(CHC)のコン・ヒー牧師が説教し、その後、舞台上でコン・ヒー氏の妻であり、牧師、そしてポップ歌手のホー・ヨースン(Reverend Ho Yeow Sun、スン・ホーとも呼ばれている)が歌っている間、舞台下ではドミニク・ヤオ氏がコン・ヒー氏と共に、横一列に並んだ人々に「按手」し、後ろに倒れるまで続けているのがわかる(13分10秒から)。


Rev Dominic Yeo - 5 Keys To A Breakthrough - 5 of 6 (Sep 8, 2012)


Rev Dominic Yeo - 5 Keys To A Breakthrough - 6 of 6 (Sep 8, 2012)

 コン・ヒー氏は妻の歌手活動(ネット上で「Sun - Fancy Free」と検索すると彼女のビデオクリップを見ることができるが、率直に言って観ない方がいいと思う)のために膨大な額の資金を着服した罪で、2015年10月に8年の有罪判決を受けている。

 逮捕されたのは2012年6月27日とあるので、上のビデオはその逮捕され保釈後のものなのだろうか。確認が必要である。(→こちらの2012年10月15日付けの記事には、「しかし、牧師は罪を認めておらず、保釈後は以前と同様に説教を続けている。」とあるので、9月8日に録画されたビデオなのだろう。)

 要するに2012年9月8日の集会において、ヤオ氏は人々の頭に按手しながら、自分の隣りで一緒に祈っているコン・ヒー氏が約2か月前に逮捕されていたことを認識していたことになる。

 

 いずれにせよ、使徒パウロが伝道者テモテに対して書き記した訓戒「また、だれにでも軽々しく按手をしてはいけません。また、他人の罪にかかわりを持ってはいけません。自分を清く保ちなさい。」(Ⅰテモテ5:22)は、実に摂理的である。

 勿論、私の意見はヤオ氏個人に対する個人的批判というレベルより、もっと根の深い部分に対する危機感によるものである。

 

  以下、ドミニク・ヤオ氏をはじめとする新使徒運動と、日本のアッセンブリー教団との関わりに関する警告の記事である。

AGを侵食する新使徒運動 : 村上 密 Blog

日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の危機 : 村上 密 Blog