天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい。
創世記13:14-17
14 ロトがアブラムに別れた後に、主はアブラムに言われた、「目をあげてあなたのいる所から北、南、東、西を見わたしなさい。
15 すべてあなたが見わたす地は、永久にあなたとあなたの子孫に与えます。
16 わたしはあなたの子孫を地のちりのように多くします。もし人が地のちりを数えることができるなら、あなたの子孫も数えられることができましょう。
17 あなたは立って、その地をたてよこに行き巡りなさい。わたしはそれをあなたに与えます」。
創世記15:1-5
1 これらの事の後、主の言葉が幻のうちにアブラムに臨んだ、「アブラムよ恐れてはならない、わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは、はなはだ大きいであろう」。
2 アブラムは言った、「主なる神よ、わたしには子がなく、わたしの家を継ぐ者はダマスコのエリエゼルであるのに、あなたはわたしに何をくださろうとするのですか」。
3 アブラムはまた言った、「あなたはわたしに子を賜わらないので、わたしの家に生れたしもべが、あとつぎとなるでしょう」。
4 この時、主の言葉が彼に臨んだ、「この者はあなたのあとつぎとなるべきではありません。あなたの身から出る者があとつぎとなるべきです」。
5 そして主は彼を外に連れ出して言われた、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」。また彼に言われた、「あなたの子孫はあのようになるでしょう」。
6 アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。
ロトが低地の町々を選び、ソドムに住むために離れて行った時、主なる神はアブラハムに「目をあげてあなたのいる所から北、南、東、西を見わたしなさい」と命じ、そして彼に「わたしはあなたの子孫を地のちりのように多くします。もし人が地のちりを数えることができるなら、あなたの子孫も数えられることができましょう」と約束を与えた。
しかしアブラハムがカナンの地に住んで約十年の月日が流れた頃、主なる神はアブラハムを夜、天幕の外へ導き出し、満天の空を見上げさせ、「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい」と命じた。そして彼に「あなたの子孫はあのようになるでしょう」という約束を与えたのである。
「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい。」 アブラハムはたとえ十代の視力を持っていたとしても、それは不可能だった。「地の塵」も同じように数えることはできないものだが、手に取ればその一部でも実感することができた。
しかし満天の星には、いくら手を伸ばしても届かず、指を指して追いかけようとしても、それらの星々は天空を緩やかに動き続け、誰もそれを引き留めることはできない。
満天の星の下に立つアブラハムには、主の約束を信じる以外、何もできなかったのである。
「In Christ」
御子キリストのうちに導かれ、その恵みの中で生きる信仰者は、アブラハムと同じである。
コロサイ2:9-10a
9 キリストにこそ、満ちみちているいっさいの神の徳が、かたちをとって宿っており、
10a そしてあなたがたは、キリストにあって、それに満たされているのである。
御子キリストのうちに神の徳が満ち満ちていて、あなた方はそれに満たされている、と約束されていても、私たちはしばし、満天の星の下で手を伸ばし、立ち尽くすアブラハムのように感じてしまう。その星々は私たちの指の先からはるかに高いところでキラキラと輝いているが、私たちの手の中には光り輝くものなど何一つない。特別美しく輝く星を見つけて好みの名前を付けても、ちょっと視線を逸らしただけで、次の瞬間にはその星がどれだったかわからなくなってしまう。
「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみなさい。」
主なる神はアブラハムに「天を仰いで、星を数えなさい」とは命じなかった。
私たちもアブラハムと同じようにただ信じよう。私たちはキリストのうちに満ち満ちた神の徳のなかに生き、それが私たちのうちに満ち満ちていることを。