an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

世の欲と誘惑

マタイ4:8-10

8 次に悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華とを見せて

9 言った、「もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むなら、これらのものを皆あなたにあげましょう」。

10 するとイエスは彼に言われた、「サタンよ、退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。

ルカ4:5-8

5 それから、悪魔はイエスを高い所へ連れて行き、またたくまに世界のすべての国々を見せて

6 言った、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから。

7 それで、もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう」。

8 イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。 

 引用した聖句は、御子イエス・キリストが地上宣教活動を始めるにあたって、荒野で悪魔から誘惑を受けた場面の記述の一部である。

 ここでは御子に対する悪魔の恐ろしい傲慢さが顕れている。創造主であり、あらゆる被造物の目的でもある御子に対して、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから」と挑発しているのである。

 例えば、あなたの留守中に泥棒が家に侵入し、あなたの財産を好き勝手に使うだけでなく、家族に対して暴行し、帰宅したあなたに向かって「この家と全ての人と物は全部俺のものだ。欲しかったら、俺の前に跪け」と言っていることを想像してみてほしい。

 勿論、泥棒が不法に侵入した家が自分のものではないことをよく知っている以上に、悪魔はこの世が本来自分のものではないことを承知している。さらに最終的にも決して自分のものにはならないことさえも知っている。

 しかも悪魔は霊的な存在だから、物質的富や繁栄などそれがどれだけあろうと全く関心はなく、それらはただ人間を誘惑する手段、つまり自分の足元に引き寄せ、跪かせ、自分自身を崇めさせるための単なる「餌」でしかないのである。「世の欲」の究極な根源は、御子に対する傲慢である。

 だからこそ悪魔は、有り余るほどこの世の富を抱え、さらに肥え太ろうと強欲に身を沈めている、神を畏れぬ富者たちではなく、むしろ質素な生活、あるいは欠乏の中にいても主なる神だけを拝し、仕えようと願う信仰者たちを誘惑しようと隙を窺っているのである。何も持たず、何も食べていなかった御子を荒野で誘惑したように。

Ⅰテモテ6:3-10

3 もし違ったことを教えて、わたしたちの主イエス・キリストの健全な言葉、ならびに信心にかなう教に同意しないような者があれば、

4 彼は高慢であって、何も知らず、ただ論議と言葉の争いとに病みついている者である。そこから、ねたみ、争い、そしり、さいぎの心が生じ、

5 また知性が腐って、真理にそむき、信心を利得と心得る者どもの間に、はてしのないいがみ合いが起るのである。

6 しかし、信心があって足ることを知るのは、大きな利得である。

7 わたしたちは、何ひとつ持たないでこの世にきた。また、何ひとつ持たないでこの世を去って行く。

8 ただ衣食があれば、それで足れりとすべきである。

9 富むことを願い求める者は、誘惑と、わなとに陥り、また、人を滅びと破壊とに沈ませる、無分別な恐ろしいさまざまの情欲に陥るのである。

10 金銭を愛することは、すべての悪の根である。ある人々は欲ばって金銭を求めたため、信仰から迷い出て、多くの苦痛をもって自分自身を刺しとおした。

Ⅰペテロ5:8-11

8 身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食いつくすべきものを求めて歩き回っている。

9 この悪魔にむかい、信仰にかたく立って、抵抗しなさい。あなたがたのよく知っているとおり、全世界にいるあなたがたの兄弟たちも、同じような苦しみの数々に会っているのである。

10 あなたがたをキリストにある永遠の栄光に招き入れて下さったあふるる恵みの神は、しばらくの苦しみの後、あなたがたをいやし、強め、力づけ、不動のものとして下さるであろう。

11 どうか、力が世々限りなく、神にあるように、アァメン。

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