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夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

第六の封印(2):十四万四千人のイスラエル人

黙示録7:1-8

1 この後、わたしは四人の御使が地の四すみに立っているのを見た。彼らは地の四方の風をひき止めて、地にも海にもすべての木にも、吹きつけないようにしていた。

2 また、もうひとりの御使が、生ける神の印を持って、日の出る方から上って来るのを見た。彼は地と海とをそこなう権威を授かっている四人の御使にむかって、大声で叫んで言った、

3 「わたしたちの神の僕らの額に、わたしたちが印をおしてしまうまでは、地と海と木とをそこなってはならない」。

4 わたしは印をおされた者の数を聞いたが、イスラエルの子らのすべての部族のうち、印をおされた者は十四万四千人であった。

5 ユダの部族のうち、一万二千人が印をおされ、ルベンの部族のうち、一万二千人、ガドの部族のうち、一万二千人、

6 アセルの部族のうち、一万二千人、ナフタリの部族のうち、一万二千人、マナセの部族のうち、一万二千人、

7 シメオンの部族のうち、一万二千人、レビの部族のうち、一万二千人、イサカルの部族のうち、一万二千人、

8 ゼブルンの部族のうち、一万二千人、ヨセフの部族のうち、一万二千人、ベニヤミンの部族のうち、一万二千人が印をおされた。 

  第六の封印が解かれた時、イスラエルの子孫のうち、「神の僕」として十四万四千人が選ばれることになる。「神の僕」と言っても、彼らのアイデンティティーは非常に特別で、イエスが救い主であると信じた者としてだけでなく、「女にふれたことのない男性」「純潔な者」「口には偽りがなく」「傷のない者」であると記されている。

 彼らの特殊性は、彼ら十四万四千人以外が学ぶことができない「新しい歌」を神の御座の前で歌うことになることでも暗示されている。つまりこの選ばれたキリスト者たちは、地上における宣教において他のキリスト者は体験しないような経験から「新しい歌」を「学ぶ」ことになるのだろう。

黙示録14:1-5

1 なお、わたしが見ていると、見よ、小羊がシオンの山に立っていた。また、十四万四千の人々が小羊と共におり、その額に小羊の名とその父の名とが書かれていた。

2 またわたしは、大水のとどろきのような、激しい雷鳴のような声が、天から出るのを聞いた。わたしの聞いたその声は、琴をひく人が立琴をひく音のようでもあった。

3 彼らは、御座の前、四つの生き物と長老たちとの前で、新しい歌を歌った。この歌は、地からあがなわれた十四万四千人のほかは、だれも学ぶことができなかった。

4 彼らは、女にふれたことのない者である。彼らは、純潔な者である。そして、小羊の行く所へは、どこへでもついて行く。彼らは、神と小羊とにささげられる初穂として、人間の中からあがなわれた者である。

5 彼らの口には偽りがなく、彼らは傷のない者であった。 

  主イエスは「十二使徒」や使徒パウロや使徒バルナバを各部族の代表として選んだわけではなかったので、その意味でもこの十四万四千人の召命は特別で、大患難期という人類史上かってない、またこれからもないような特殊な時期にキリストの証人として遣わされることの重大さを暗示している。

 これは主なる神がイスラエルの子孫に最初から求めていたアイデンティティーの実現でもある。

イザヤ43:9-12

9 国々はみな相つどい、もろもろの民は集まれ。彼らのうち、だれがこの事を告げ、さきの事どもを、われわれに聞かせることができるか。その証人を出して、おのれの正しい事を証明させ、それを聞いて「これは真実だ」と言わせよ。

10 主は言われる、「あなたがたはわが証人、わたしが選んだわがしもべである。それゆえ、あなたがたは知って、わたしを信じ、わたしが主であることを悟ることができる。わたしより前に造られた神はなく、わたしより後にもない。

11 ただわたしのみ主である。わたしのほかに救う者はいない。

12 わたしはさきに告げ、かつ救い、かつ聞かせた。あなたがたのうちには、ほかの神はなかった。あなたがたはわが証人である」と主は言われる。 

 この十四万四千人のイスラエルの子孫による全世界的な宣教によって他の多くのユダヤ人もイエスがメシアであると信じて救われるだろう。そうなると、以下の聖句と合わせて考えると、この時期以後に救われるユダヤ人以外の異邦人がどれだけいるのか、甚だ疑問である。なぜなら「異邦人が全部救われるに至る時」がすでに過ぎたことを意味しているからである。

ローマ11:25-27

25 兄弟たちよ。あなたがたが知者だと自負することのないために、この奥義を知らないでいてもらいたくない。一部のイスラエル人がかたくなになったのは、異邦人が全部救われるに至る時までのことであって、

26 こうして、イスラエル人は、すべて救われるであろう。すなわち、次のように書いてある、「救う者がシオンからきて、ヤコブから不信心を追い払うであろう。

27 そして、これが、彼らの罪を除き去る時に、彼らに対して立てるわたしの契約である」。 

 実際、地上において十四万四千人のイスラエルの子孫が選ばれた同じ時期に、使徒ヨハネは天における「あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、数えきれないほどの大ぜいの群衆」が御座と子羊の御前で賛美している幻を見ている。つまり無数の異邦人がすでに地上から贖われ、神の御前で仕えているのである。

黙示録7:9-17

9 その後、わたしが見ていると、見よ、あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、数えきれないほどの大ぜいの群衆が、白い衣を身にまとい、しゅろの枝を手に持って、御座と小羊との前に立ち、

10 大声で叫んで言った、「救は、御座にいますわれらの神と小羊からきたる」。

11 御使たちはみな、御座と長老たちと四つの生き物とのまわりに立っていたが、御座の前にひれ伏し、神を拝して言った、

12 「アァメン、さんび、栄光、知恵、感謝、ほまれ、力、勢いが、世々限りなく、われらの神にあるように、アァメン」。

13 長老たちのひとりが、わたしにむかって言った、「この白い衣を身にまとっている人々は、だれか。また、どこからきたのか」。

14 わたしは彼に答えた、「わたしの主よ、それはあなたがご存じです」。すると、彼はわたしに言った、「彼らは大きな患難をとおってきた人たちであって、その衣を小羊の血で洗い、それを白くしたのである。

15 それだから彼らは、神の御座の前におり、昼も夜もその聖所で神に仕えているのである。御座にいますかたは、彼らの上に幕屋を張って共に住まわれるであろう。

16 彼らは、もはや飢えることがなく、かわくこともない。太陽も炎暑も、彼らを侵すことはない。

17 御座の正面にいます小羊は彼らの牧者となって、いのちの水の泉に導いて下さるであろう。また神は、彼らの目から涙をことごとくぬぐいとって下さるであろう」。

 十四万四千人の神の証人たちが迫害によって殉教し、天の御座の前に導かれた後、地に残された人々に対して一人の御使いが永遠の福音を伝えることになる。

黙示録14:6-13

6 わたしは、もうひとりの御使が中空を飛ぶのを見た。彼は地に住む者、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるために、永遠の福音をたずさえてきて、

7 大声で言った、「神をおそれ、神に栄光を帰せよ。神のさばきの時がきたからである。天と地と海と水の源とを造られたかたを、伏し拝め」。

8 また、ほかの第二の御使が、続いてきて言った、「倒れた、大いなるバビロンは倒れた。その不品行に対する激しい怒りのぶどう酒を、あらゆる国民に飲ませた者」。

9 ほかの第三の御使が彼らに続いてきて、大声で言った、「おおよそ、獣とその像とを拝み、額や手に刻印を受ける者は、

10 神の怒りの杯に混ぜものなしに盛られた、神の激しい怒りのぶどう酒を飲み、聖なる御使たちと小羊との前で、火と硫黄とで苦しめられる。

11 その苦しみの煙は世々限りなく立ちのぼり、そして、獣とその像とを拝む者、また、だれでもその名の刻印を受けている者は、昼も夜も休みが得られない。

12 ここに、神の戒めを守り、イエスを信じる信仰を持ちつづける聖徒の忍耐がある」。

13 またわたしは、天からの声がこう言うのを聞いた、「書きしるせ、『今から後、主にあって死ぬ死人はさいわいである』」。御霊も言う、「しかり、彼らはその労苦を解かれて休み、そのわざは彼らについていく」。 

 これは十四万四千人が天に移された後も、「主にあって死ぬ死人」つまり、獣とその像とを拝んだり、その名の刻印を受けることを拒否して、殉教する人々が少なからずいることを示している。

 しかしその殉教も、御子によって地上から刈り取られると表現されているのは興味深い。

黙示録14:14-16

14 また見ていると、見よ、白い雲があって、その雲の上に人の子のような者が座しており、頭には金の冠をいただき、手には鋭いかまを持っていた。

15 すると、もうひとりの御使が聖所から出てきて、雲の上に座している者にむかって大声で叫んだ、「かまを入れて刈り取りなさい。地の穀物は全く実り、刈り取るべき時がきた」。

16 雲の上に座している者は、そのかまを地に投げ入れた。すると、地のものが刈り取られた。

 この「刈り入れ」によって、地上に対する神の激しい怒りが頂点に達する前に、「獣とその像とその名の数字とにうち勝った人々」が天に移され、神を賛美することになる。

黙示録15:1-4

1 またわたしは、天に大いなる驚くべきほかのしるしを見た。七人の御使が、最後の七つの災害を携えていた。これらの災害で神の激しい怒りがその頂点に達するのである。

2 またわたしは、火のまじったガラスの海のようなものを見た。そして、このガラスの海のそばに、獣とその像とその名の数字とにうち勝った人々が、神の立琴を手にして立っているのを見た。

3 彼らは、神の僕モーセの歌と小羊の歌とを歌って言った、「全能者にして主なる神よ。あなたのみわざは、大いなる、また驚くべきものであります。万民の王よ、あなたの道は正しく、かつ真実であります。

4 主よ、あなたをおそれず、御名をほめたたえない者が、ありましょうか。あなただけが聖なるかたであり、あらゆる国民はきて、あなたを伏し拝むでしょう。あなたの正しいさばきが、あらわれるに至ったからであります」。 

 

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