大空は御手のわざを示す
秋の不安定な天気が生み出す一瞬の表情。陽が沈むのを惜しむかのように、雲が青く輝いている。
ダビデの詩篇が自然に口に出てくる。
詩篇19
1 聖歌隊の指揮者によってうたわせたダビデの歌
もろもろの天は神の栄光をあらわし、大空はみ手のわざをしめす。
2 この日は言葉をかの日につたえ、この夜は知識をかの夜につげる。
3 話すことなく、語ることなく、その声も聞えないのに、
4 その響きは全地にあまねく、その言葉は世界のはてにまで及ぶ。神は日のために幕屋を天に設けられた。
5 日は花婿がその祝のへやから出てくるように、また勇士が競い走るように、その道を喜び走る。
6 それは天のはてからのぼって、天のはてにまで、めぐって行く。その暖まりをこうむらないものはない。
7 主のおきては完全であって、魂を生きかえらせ、主のあかしは確かであって、無学な者を賢くする。
8 主のさとしは正しくて、心を喜ばせ、主の戒めはまじりなくて、眼を明らかにする。
9 主を恐れる道は清らかで、とこしえに絶えることがなく、主のさばきは真実であって、ことごとく正しい。
10 これらは金よりも、多くの純金よりも慕わしく、また蜜よりも、蜂の巣のしたたりよりも甘い。
11 あなたのしもべは、これらによって戒めをうける。これらを守れば、大いなる報いがある。
12 だれが自分のあやまちを知ることができましようか。どうか、わたしを隠れたとがから解き放ってください。
13 また、あなたのしもべを引きとめて、故意の罪を犯させず、これに支配されることのないようにしてください。そうすれば、わたしはあやまちのない者となって、大いなるとがを免れることができるでしょう。
14 わが岩、わがあがないぬしなる主よ、どうか、わたしの口の言葉と、心の思いがあなたの前に喜ばれますように。
この詩篇を三つの要素に分類すると、ダビデに対する聖霊の働きがより明確に実感できるのではないかと思う。
Ⅰ (1-6節):自然に啓示されている創造者なる神の栄光
Ⅱ(7-11節):神の御言葉(掟、証し、諭し、戒め、道、裁き)の啓示
Ⅲ(12-14節):神の臨在と御言葉の啓示を受けた魂の祈り
つまりダビデは、目の前の壮大な自然の風景の中に創造主なる神の偉大さを見出し、そこからさらに、様々な神の書き記された証しや掟、戒めの完璧さに思いを馳せ、そして御言葉の啓示の光に照らされたがゆえ、現実の自分の姿に祈らずにはいられなくなった、その一連の心の動きが生き生きと表現されている。
風や光、太陽の熱、水蒸気などの様々な要素が織り成す情景。それは心の襞の奥まで映り込み、目で見、手で触れ、言葉で表現できる領域の向こうにある「何か」を切望する思いを生み出す。
伝道の書3:11
神のなされることは皆その時にかなって美しい。
神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。
それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終りまで見きわめることはできない。
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