an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

エサウの子エリパズの子孫の霊

創世記36:10-12

10 エサウの子らの名は次のとおりである。すなわちエサウの妻アダの子はエリパズ。エサウの妻バスマテの子はリウエル。

11 エリパズの子らはテマン、オマル、ゼポ、ガタム、ケナズである。

12 テムナはエサウの子エリパズのそばめで、アマレクをエリパズに産んだ。これらはエサウの妻アダの子らである。 

ヨブ4:1-2

1 その時、テマンびとエリパズが答えて言った、

2 「もし人があなたにむかって意見を述べるならば、あなたは腹を立てるでしょうか。しかしだれが黙っておれましょう。

42:7

主はこれらの言葉をヨブに語られて後、テマンびとエリパズに言われた、「わたしの怒りはあなたとあなたのふたりの友に向かって燃える。あなたがたが、わたしのしもべヨブのように正しい事をわたしについて述べなかったからである。 

申命記25:17-19

17 あなたがエジプトから出てきた時、道でアマレクびとがあなたにしたことを記憶しなければならない。

18 すなわち彼らは道であなたに出会い、あなたがうみ疲れている時、うしろについてきていたすべての弱っている者を攻め撃った。このように彼らは神を恐れなかった。

19 それで、あなたの神、主が嗣業として賜わる地で、あなたの神、主があなたの周囲のすべての敵を征服して、あなたに安息を与えられる時、あなたはアマレクの名を天の下から消し去らなければならない。この事を忘れてはならない。 

民数記20:14-21

14 さて、モーセはカデシからエドムの王に使者をつかわして言った、「あなたの兄弟、イスラエルはこう申します、『あなたはわたしたちが遭遇したすべての患難をご存じです。

15 わたしたちの先祖はエジプトに下って行って、わたしたちは年久しくエジプトに住んでいましたが、エジプトびとがわたしたちと、わたしたちの先祖を悩ましたので、

16 わたしたちが主に呼ばわったとき、主はわたしたちの声を聞き、ひとりの天の使をつかわして、わたしたちをエジプトから導き出されました。わたしたちは今あなたの領地の端にあるカデシの町におります。

17 どうぞ、わたしたちにあなたの国を通らせてください。わたしたちは畑もぶどう畑も通りません。また井戸の水も飲みません。ただ王の大路を通り、あなたの領地を過ぎるまでは右にも左にも曲りません』」。

18 しかし、エドムはモーセに言った、「あなたはわたしの領地をとおってはなりません。さもないと、わたしはつるぎをもって出て、あなたに立ちむかうでしょう」。

19 イスラエルの人々はエドムに言った、「わたしたちは大路を通ります。もしわたしたちとわたしたちの家畜とが、あなたの水を飲むことがあれば、その価を払います。わたしは徒歩で通るだけですから何事もないでしょう」。

20 しかし、エドムは「あなたは通ることはなりません」と言って、多くの民と強い軍勢とを率い、出て、これに立ちむかってきた。

21 このようにエドムはイスラエルに、その領地を通ることを拒んだので、イスラエルはエドムからほかに向かった。

オバデヤ8-15

8 主は言われる、その日には、わたしはエドムから知者を滅ぼし、エサウの山から悟りを断ち除かないだろうか。 

9 テマンよ、あなたの勇士は驚き恐れる。人はみな殺されてエサウの山から断ち除かれる。

10 あなたはその兄弟ヤコブに暴虐を行ったので、恥はあなたをおおい、あなたは永遠に断たれる。

11 あなたが離れて立っていた日、すなわち異邦人がその財宝を持ち去り、外国人がその門におし入り、エルサレムをくじ引きにした日、あなたも彼らのひとりのようであった。

12 しかしあなたは自分の兄弟の日、すなわちその災の日をながめていてはならなかった。あなたはユダの人々の滅びの日に、これを喜んではならず、その悩みの日に誇ってはならなかった。

13 あなたはわが民の災の日に、その門にはいってはならず、その災の日にその苦しみをながめてはならなかった。またその災の日に、その財宝に手をかけてはならなかった。

14 あなたは分れ道に立って、そののがれる者を切ってはならなかった。あなたは悩みの日にその残った者を敵にわたしてはならなかった。

15 主の日が万国の民に臨むのは近い。あなたがしたようにあなたもされる。あなたの報いはあなたのこうべに帰する。 

 例えばあなたは「イタリア人」というと、どのような人間を想像するだろうか。「陽気で、おしゃべり、でもちょっと狡賢い。サッカー大好きで、スパゲッティとピザを食べ、ワインを飲んで、いつも大声で歌を歌っている小太りの人たち」だろうか。長い歴史のなかで少しずつ蓄積された印象が、このようなステレオタイプの国民像を形成したのだろう。

 イタリア人の中でも、「ジェノバ人はけち臭い」とか「カラブリア人は執念深い」「シチリア人は嫉妬深い」などの各都市によってステレオタイプがあり、「確かに」と妙に感心するような経験をするから、あながち根拠のない言いがかりとも言い切れないところもある(当然、すべてに人に当てはまるわけではないが)。歴史や環境がある種の性格を特別に強調して形成することもあるだろう。例えば「ナポリ人が陽気だが抜け目なく、ジェスチャーだけで会話ができる」のは、フランスやスペインの支配下で生き延びる為に必要だったから、という説明をナポリ人の友から聞いたことがある。

 今回引用した聖句は、ヤコブの双子の兄エサウ(聖書の中では「エドム」とも呼ばれる)の子エリパズの子孫に関してである。残忍で冷酷、無情な性格が遺伝したのか、それとも言い伝え(エサウがヤコブに出し抜かれたことの逆恨みによる伝承だろうか。創世記25、27章参照)によって徐々に形成されたのかわからないが、異なる時代においてエリパズの子孫たちが取った行動には、「隣人が弱っているときにさらに追い打ちをかける無情で残忍な性格」において共通している。

 テマンびとのエリパズ(エサウの長子と同じ名前だが、同名の子孫の一人である)は、神の人ヨブが言い表しがたい苦難の中で一人もがき苦しんでいる時、二人の仲間と共に慰めるふりをして、尖った矢のような言葉で激しくヨブを責めた。主なる神をそれらの言葉をすべて聞いていて、ヨブを擁護し、彼とその仲間を断罪した。

 時代は変わり、イスラエルの民が神の僕モーセの導きによってエジプトから脱出し、荒野を約束の地に向かって進んでいたとき、エリパズの子アマレクの子孫は、「倦み疲れていたイスラエルの民の、後ろからついてきていたすべての弱っている者(おそらく老人や妊婦、小さな子供たちを連れた母、そして病人だったと想像できる)を攻め撃った」。これはまさに「神を畏れない行為」であった。

 そして荒野の旅で疲れ切り、渇いていたイスラエルの民が、少しでも短い道を進むため、エドムの子孫の領地を通ろうと願い求めた時、エドムはそれを頑として拒否し、多くの民と強い軍勢とを率い、迎え撃おうとした。

 さらに時は流れ、おそらくヨラム王の時代にペリシテびととアラビヤびとがエルサレムを略奪した時(歴代下21:8-20)、エリパズの子孫はイスラエルの災の日を傍観するだけにとどまらず、それを喜び、その悩みの日に自分たちを誇った。そして略奪者と共にエルサレムの財宝を略奪し、逃げ惑う人々を待ち伏せして切り殺し、敵の手に渡した。

 何と卑しい霊だろうか。試練の中でもがき苦しむ人を「正論」で責め、疲れ切って弱り果てた人々を後方から襲い、その進む道を阻み、敵の陰に隠れて逃げ惑う人々を殺し、略奪する。それはまさに神の敵サタンからくる霊である。主イエス・キリストが四十日間の断食の後、荒野において何をしたか思い出してほしい。

ルカ4:1-13

1 さて、イエスは聖霊に満ちてヨルダン川から帰り、

2 荒野を四十日のあいだ御霊にひきまわされて、悪魔の試みにあわれた。そのあいだ何も食べず、その日数がつきると、空腹になられた。

3 そこで悪魔が言った、「もしあなたが神の子であるなら、この石に、パンになれと命じてごらんなさい」。

4 イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」。

5 それから、悪魔はイエスを高い所へ連れて行き、またたくまに世界のすべての国々を見せて

6 言った、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから。

7 それで、もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう」。

8 イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。

9 それから悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、宮の頂上に立たせて言った、「もしあなたが神の子であるなら、ここから下へ飛びおりてごらんなさい。

10 『神はあなたのために、御使たちに命じてあなたを守らせるであろう』とあり、

11 また、『あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手でささえるであろう』とも書いてあります」。

12 イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』と言われている」。

13 悪魔はあらゆる試みをしつくして、一時イエスを離れた。

 弱い私たちに対する悪魔の策略は、現在においても何も変わっていない。彼はその残忍さをもって、私たちが苦しんでいるときや弱っているときに、私たちを誘惑し、罪を犯させ、責め、私たちが最も大事にしているものを奪おうとする。しかし、信仰者の心の中には、生ける御言葉である主なるイエス・キリストが生きておられ、聖霊を通して御言葉そのものによって私たちのために戦って、約束した勝利を与えてくださるのだ。

Ⅰペテロ5:8-11

8 身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食いつくすべきものを求めて歩き回っている。

9 この悪魔にむかい、信仰にかたく立って、抵抗しなさい。あなたがたのよく知っているとおり、全世界にいるあなたがたの兄弟たちも、同じような苦しみの数々に会っているのである。

10 あなたがたをキリストにある永遠の栄光に招き入れて下さったあふるる恵みの神は、しばらくの苦しみの後、あなたがたをいやし、強め、力づけ、不動のものとして下さるであろう。

11 どうか、力が世々限りなく、神にあるように、アァメン。