an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

黙示録における「天の聖所」と「地上の聖所」

黙示録4:1-2

1 その後、わたしが見ていると、見よ、開いた門が天にあった。そして、さきにラッパのような声でわたしに呼びかけるのを聞いた初めの声が、「ここに上ってきなさい。そうしたら、これから後に起るべきことを、見せてあげよう」と言った。 

2 すると、たちまち、わたしは御霊に感じた。見よ、御座が天に設けられており、その御座にいますかたがあった。 

黙示録6:9

小羊が第五の封印を解いた時、神の言のゆえに、また、そのあかしを立てたために、殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいるのを、わたしは見た。

黙示録7:14-15

14 わたしは彼に答えた、「わたしの主よ、それはあなたがご存じです」。すると、彼はわたしに言った、「彼らは大きな患難をとおってきた人たちであって、その衣を小羊の血で洗い、それを白くしたのである。 

15 それだから彼らは、神の御座の前におり、昼も夜もその聖所で神に仕えているのである。御座にいますかたは、彼らの上に幕屋を張って共に住まわれるであろう。

黙示録8:1-5

1 小羊が第七の封印を解いた時、半時間ばかり天に静けさがあった。 

2 それからわたしは、神のみまえに立っている七人の御使を見た。そして、七つのラッパが彼らに与えられた。 

3 また、別の御使が出てきて、金の香炉を手に持って祭壇の前に立った。たくさんの香が彼に与えられていたが、これは、すべての聖徒の祈に加えて、御座の前の金の祭壇の上にささげるためのものであった。 

4 香の煙は、御使の手から、聖徒たちの祈と共に神のみまえに立ちのぼった。 

5 御使はその香炉をとり、これに祭壇の火を満たして、地に投げつけた。すると、多くの雷鳴と、もろもろの声と、いなずまと、地震とが起った。 

黙示録9:13

第六の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、一つの声が、神のみまえにある金の祭壇の四つの角から出て、 

黙示録11:19

そして、天にある神の聖所が開けて、聖所の中に契約の箱が見えた。また、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴と、地震とが起り、大粒の雹が降った。

黙示録14:15-18 

15 すると、もうひとりの御使が聖所から出てきて、雲の上に座している者にむかって大声で叫んだ、「かまを入れて刈り取りなさい。地の穀物は全く実り、刈り取るべき時がきた」。 

16 雲の上に座している者は、そのかまを地に投げ入れた。すると、地のものが刈り取られた。 

17 また、もうひとりの御使が、天の聖所から出てきたが、彼もまた鋭いかまを持っていた。 

18 さらに、もうひとりの御使で、火を支配する権威を持っている者が、祭壇から出てきて、鋭いかまを持つ御使にむかい、大声で言った、「その鋭いかまを地に入れて、地のぶどうのふさを刈り集めなさい。ぶどうの実がすでに熟しているから」。

黙示録15:5-6 

5 その後、わたしが見ていると、天にある、あかしの幕屋の聖所が開かれ、

6 その聖所から、七つの災害を携えている七人の御使が、汚れのない、光り輝く亜麻布を身にまとい、金の帯を胸にしめて、出てきた。

 黙示録から引用したこれらの聖句は、使徒ヨハネが流刑の島パトモスにおいて示された幻の中で、「天」と呼ばれている霊的次元に「御座」や「聖所」、「金の祭壇」、さらに「契約の箱」さえ存在していると啓示している。

 勿論、これらの要素はそれぞれ霊的な実体を使徒ヨハネが認識できるように聖霊によって示されたものであり、物質的なものではないことは明らかである。

 しかし以下の聖句に書き記されている「神の聖所と祭壇」「聖なる都」が、天的・霊的なものではなく、地上的・物質的なものであることは、いくつかの観点によって確認できる。

黙示録11:1-2

1 それから、わたしはつえのような測りざおを与えられて、こう命じられた、「さあ立って、神の聖所と祭壇と、そこで礼拝している人々とを、測りなさい。 

2 聖所の外の庭はそのままにしておきなさい。それを測ってはならない。そこは異邦人に与えられた所だから。彼らは、四十二か月の間この聖なる都を踏みにじるであろう。 

 まず第一に、この幻を示された時点で、使徒ヨハネは天上でなく、地上に遣わされていた御使いのもとにいた。このことは、前の章において記されている。

黙示録10:1-3a

1 わたしは、もうひとりの強い御使が、雲に包まれて、天から降りて来るのを見た。その頭に、にじをいただき、その顔は太陽のようで、その足は火の柱のようであった。 

2 彼は、開かれた小さな巻物を手に持っていた。そして、右足を海の上に、左足を地の上に踏みおろして、 

3a ししがほえるように大声で叫んだ。

黙示録10:8-10a

8 すると、前に天から聞えてきた声が、またわたしに語って言った、「さあ行って、海と地との上に立っている御使の手に開かれている巻物を、受け取りなさい」。 

9 そこで、わたしはその御使のもとに行って、「その小さな巻物を下さい」と言った。すると、彼は言った、「取って、それを食べてしまいなさい。あなたの腹には苦いが、口には蜜のように甘い」。 

10a わたしは御使の手からその小さな巻物を受け取って食べてしまった。

 確かに使徒ヨハネは海と地との上に立っている御使のもとへ行き、巻物を受け取っているのである。よってこの時点では、使徒ヨハネは幻の中で天上ではなく、地上にいたことが理解できる。

 第二の理由は、天にある霊的な神の聖なる都は誰も「踏みにじる」ことなどできない故、ここでいう「聖なる都」は地上のエルサレムのことを指すと思われる。

 それはまた御子自身の地上のエルサレムに関する預言からも理解できる。

ルカ21:24

彼らはつるぎの刃に倒れ、また捕えられて諸国へ引きゆかれるであろう。そしてエルサレムは、異邦人の時期が満ちるまで、彼らに踏みにじられているであろう。 

 第三の理由は、御使に「神の聖所と祭壇と、そこで礼拝している人々とを、測りなさい」と命令された直後に、使徒ヨハネは地上のエルサレムにおいて預言する二人の証人と、エルサレムに起きる大地震の啓示を受けていることである。

黙示録11:3-13

3 そしてわたしは、わたしのふたりの証人に、荒布を着て、千二百六十日のあいだ預言することを許そう」。 

4 彼らは、全地の主のみまえに立っている二本のオリブの木、また、二つの燭台である。 

5 もし彼らに害を加えようとする者があれば、彼らの口から火が出て、その敵を滅ぼすであろう。もし彼らに害を加えようとする者があれば、その者はこのように殺されねばならない。

6 預言をしている期間、彼らは、天を閉じて雨を降らせないようにする力を持っている。さらにまた、水を血に変え、何度でも思うままに、あらゆる災害で地を打つ力を持っている。 

7 そして、彼らがそのあかしを終えると、底知れぬ所からのぼって来る獣が、彼らと戦って打ち勝ち、彼らを殺す。 

8 彼らの死体はソドムや、エジプトにたとえられている大いなる都の大通りにさらされる。彼らの主も、この都で十字架につけられたのである。 

9 いろいろな民族、部族、国語、国民に属する人々が、三日半の間、彼らの死体をながめるが、その死体を墓に納めることは許さない。 

10 地に住む人々は、彼らのことで喜び楽しみ、互に贈り物をしあう。このふたりの預言者は、地に住む者たちを悩ましたからである。 

11 三日半の後、いのちの息が、神から出て彼らの中にはいり、そして、彼らが立ち上がったので、それを見た人々は非常な恐怖に襲われた。 

12 その時、天から大きな声がして、「ここに上ってきなさい」と言うのを、彼らは聞いた。そして、彼らは雲に乗って天に上った。彼らの敵はそれを見た。 

13 この時、大地震が起って、都の十分の一は倒れ、その地震で七千人が死に、生き残った人々は驚き恐れて、天の神に栄光を帰した。

 第四の理由は、11:7に記されている「底知れぬ所からのぼって来る獣」つまり「反キリスト」が現れ、エルサレムで預言している二人の証人を殺すことになるのだが、御子が「預言者ダニエルによって言われた荒らす憎むべき者が、聖なる場所に立つのを見たならば」という預言に対応しているからである。

マタイ24:15-16;21

15 預言者ダニエルによって言われた荒らす憎むべき者が、聖なる場所に立つのを見たならば(読者よ、悟れ)、

16 そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げよ。 

21 その時には、世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである。 

 当然、この「聖なる場所」は天上の霊的場所を指していないのは明らかである。

 以上の理由から、11章に記されている神の聖所は、大患難期のエルサレムに再建されるであろう第三神殿について預言していると考えられる。