an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

「終わりの時」に関する封じられていた言葉

ダニエル12:1-4

1 その時あなたの民を守っている大いなる君ミカエルが立ちあがります。また国が始まってから、その時にいたるまで、かつてなかったほどの悩みの時があるでしょう。しかし、その時あなたの民は救われます。すなわちあの書に名をしるされた者は皆救われます。

2 また地のちりの中に眠っている者のうち、多くの者は目をさますでしょう。そのうち永遠の生命にいたる者もあり、また恥と、限りなき恥辱をうける者もあるでしょう。 

3 賢い者は、大空の輝きのように輝き、また多くの人を義に導く者は、星のようになって永遠にいたるでしょう。 

4 ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」。 

 「あなたは終わりの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい」。このダニエルに下された命令は、彼に啓示された幻や預言が、「終わりの時」をテーマにしていることを示している。

 ダニエル書の中には、何度か同じ命令が繰り返されている。

ダニエル8:15-26

15 われダニエルはこの幻を見て、その意味を知ろうと求めていた時、見よ、人のように見える者が、わたしの前に立った。 

16 わたしはウライ川の両岸の間から人の声が出て、呼ばわるのを聞いた、「ガブリエルよ、この幻をその人に悟らせよ」。 

17 すると彼はわたしの立っている所にきた。彼がきたとき、わたしは恐れて、ひれ伏した。しかし、彼はわたしに言った、「人の子よ、悟りなさい。この幻は終りの時にかかわるものです」。

18 彼がわたしに語っていた時、わたしは地にひれ伏して、深い眠りに陥ったが、彼はわたしに手を触れ、わたしを立たせて、 

19 言った、「見よ、わたしは憤りの終りの時に起るべきことを、あなたに知らせよう。それは定められた終りの時にかかわるものであるから。 

20 あなたが見た、あの二つの角のある雄羊は、メデアとペルシャの王です。 

21 また、かの雄やぎはギリシヤの王です、その目の間の大きな角は、その第一の王です。 

22 またその角が折れて、その代りに四つの角が生じたのは、その民から四つの国が起るのです。しかし、第一の王のような勢力はない。 

23 彼らの国の終りの時になり、罪びとの罪が満ちるに及んで、ひとりの王が起るでしょう。その顔は猛悪で、彼はなぞを解き、 

24 その勢力は盛んであって、恐ろしい破壊をなし、そのなすところ成功して、有力な人々と、聖徒である民を滅ぼすでしょう。 

25 彼は悪知恵をもって、偽りをその手におこない遂げ、みずから心に高ぶり、不意に多くの人を打ち滅ぼし、また君の君たる者に敵するでしょう。しかし、ついに彼は人手によらずに滅ぼされるでしょう。 

26 先に示された朝夕の幻は真実です。しかし、あなたはその幻を秘密にしておかなければならない。これは多くの日の後にかかわる事だから」。 

ダニエル12:8-9

8 わたしはこれを聞いたけれども悟れなかった。わたしは言った、「わが主よ、これらの事の結末はどんなでしょうか」。 

9 彼は言った、「ダニエルよ、あなたの道を行きなさい。この言葉は終りの時まで秘し、かつ封じておかれます。  

 「終わりの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい」ということは、その「終わりの時」は来るまでは、たとえその言葉を読んだとしても、理解することはできなかったということである。

 そして新約聖書の数々の啓示によれば、この「終わりの時」は、「御子の受肉からはじまり、十字架の死と復活、聖霊の注ぎ、大患難期を含む主の来臨の日までの期間」であることがわかる。

使徒2:17-21

17 『神がこう仰せになる。終りの時には、わたしの霊をすべての人に注ごう。そして、あなたがたのむすこ娘は預言をし、若者たちは幻を見、老人たちは夢を見るであろう。

18 その時には、わたしの男女の僕たちにもわたしの霊を注ごう。そして彼らも預言をするであろう。 

19 また、上では、天に奇跡を見せ、下では、地にしるしを、すなわち、血と火と立ちこめる煙とを、見せるであろう。 

20 主の大いなる輝かしい日が来る前に、日はやみに月は血に変るであろう。 

21 そのとき、主の名を呼び求める者は、みな救われるであろう』

へブル1:1,2

1 神は、むかしは、預言者たちにより、いろいろな時に、いろいろな方法で、先祖たちに語られたが、 

2 この終りの時には、御子によって、わたしたちに語られたのである。神は御子を万物の相続者と定め、また、御子によって、もろもろの世界を造られた。 

Ⅰペテロ1:20

キリストは、天地が造られる前から、あらかじめ知られていたのであるが、この終りの時に至って、あなたがたのために現れたのである。

Ⅰヨハネ2:18

子供たちよ。今は終りの時である。あなたがたがかねて反キリストが来ると聞いていたように、今や多くの反キリストが現れてきた。それによって今が終りの時であることを知る。

 実際、冒頭に引用した聖句には、大患難期とダニエルの民、つまりイスラエルの民の救いの期間に関する言及がある。

国が始まってから、その時にいたるまで、かつてなかったほどの悩みの時があるでしょう。しかし、その時あなたの民は救われます。すなわちあの書に名をしるされた者は皆救われます。

 先述のヨエルの預言は、一義的に主の地上来臨の前の大患難期におけるイスラエルの民の救いを啓示しているのだと思われる。

使徒2:20-21

20 主の大いなる輝かしい日が来る前に、日はやみに月は血に変るであろう。 

21 そのとき、主の名を呼び求める者は、みな救われるであろう』

 ご自身が人となって地上に顕現したことにより、神の贖いの計画における「終わりの時」をスタートした方が、地上宣教の最後に、ダニエルの預言を引用しながら、まさに大患難期における選民の救いについて語っているの実に興味深い。

マタイ24:15-22;29-31

15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。) 

16 そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。 

17 屋上にいる者は家の中の物を持ち出そうと下に降りてはいけません。 

18 畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。 

19 だが、その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。 

20 ただ、あなたがたの逃げるのが、冬や安息日にならぬよう祈りなさい。 

21 そのときには、世の初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような、ひどい苦難があるからです。 

22 もし、その日数が少なくされなかったら、ひとりとして救われる者はないでしょう。しかし、選ばれた者のために、その日数は少なくされます。 

29 だが、これらの日の苦難に続いてすぐに、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。 

30 そのとき、人の子のしるしが天に現われます。すると、地上のあらゆる種族は、悲しみながら、人の子が大能と輝かしい栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見るのです。 

31 人の子は大きなラッパの響きとともに、御使いたちを遣わします。すると御使いたちは、天の果てから果てまで、四方からその選びの民を集めます。 

 つまり聖霊を通してダニエルに終わりの時の幻を啓示し、「あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい」と命じた神の言である御子自身が、受肉によってその終わりの時の幕を開け、さらにその封じられていた言葉を聖霊によって明らかに説き明かしている、と言える。

 そのことは、使徒ヨハネがパトモス島で見た幻によって、さらに明確に啓示されている。

黙示録5:1-14;6:1

1 また、私は、御座にすわっておられる方の右の手に巻き物があるのを見た。それは内側にも外側にも文字が書きしるされ、七つの封印で封じられていた。 

2 また私は、ひとりの強い御使いが、大声でふれ広めて、「巻き物を開いて、封印を解くのにふさわしい者はだれか。」と言っているのを見た。 

3 しかし、天にも、地にも、地の下にも、だれひとりその巻き物を開くことのできる者はなく、見ることのできる者もいなかった。 

4 巻き物を開くのにも、見るのにも、ふさわしい者がだれも見つからなかったので、私は激しく泣いていた。 

5 すると、長老のひとりが、私に言った。「泣いてはいけない。見なさい。ユダ族から出たしし、ダビデの根が勝利を得たので、その巻き物を開いて、七つの封印を解くことができます。」 

6  さらに私は、御座・・そこには、四つの生き物がいる。・・と、長老たちとの間に、ほふられたと見える小羊が立っているのを見た。これに七つの角と七つの目があった。その目は、全世界に遣わされた神の七つの御霊である。 

7 小羊は近づいて、御座にすわる方の右の手から、巻き物を受け取った。 

8 彼が巻き物を受け取ったとき、四つの生き物と二十四人の長老は、おのおの、立琴と、香のいっぱいはいった金の鉢とを持って、小羊の前にひれ伏した。この香は聖徒たちの祈りである。 

9 彼らは、新しい歌を歌って言った。「あなたは、巻き物を受け取って、その封印を解くのにふさわしい方です。あなたは、ほふられて、その血により、あらゆる部族、国語、民族、国民の中から、神のために人々を贖い、 

10 私たちの神のために、この人々を王国とし、祭司とされました。彼らは地上を治めるのです。」 

11 また私は見た。私は、御座と生き物と長老たちとの回りに、多くの御使いたちの声を聞いた。その数は万の幾万倍、千の幾千倍であった。 

12 彼らは大声で言った。「ほふられた小羊は、力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美を受けるにふさわしい方です。」 

13 また私は、天と地と、地の下と、海の上のあらゆる造られたもの、およびその中にある生き物がこう言うのを聞いた。「御座にすわる方と、小羊とに、賛美と誉れと栄光と力が永遠にあるように。」 

14 また、四つの生き物はアーメンと言い、長老たちはひれ伏して拝んだ。 

 

6:1

また、私は見た。小羊が七つの封印の一つを解いたとき、四つの生き物の一つが、雷のような声で「来なさい。」と言うのを私は聞いた。 

 預言者ダニエルが「遠くから眺めるしかなかった」また「理解できなかった」終わりの時の言葉が、御子によって「開封」され、今まさにその終わりの時のなかに生かされている私たちに、聖霊が聖書を通して語りかけている、という事実は、本当に驚くべきことではないだろうか。

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