an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

農夫の知恵

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『植物はすごいー生き残りかけたしくみと工夫』

田中 修著、中公新書

第六章 逆境に生きるしくみ

百七十一頁から引用

 

「寒さに耐えるために、葉っぱの中に糖分を増やす」というしくみは、冬の寒さに耐える多くの植物に共通のものです。ですから、野菜で確かめることができます。たとえば、冬の寒さを通り越したダイコンやハクサイ、キャベツなどは、「甘い」といわれます。糖分が増えて、あまみが増しているのです。

 「寒じめホウレンソウ」というのがあります。このホウレンソウは、冬に、暖かい温室で栽培されています。ところが、出荷前に、わざわざ一定期間、温室の中に冬の寒風が吹き入れられ、ホウレンソウは寒さにさらされます。糖分を増やし、甘みを増すことが目的です。

  この文章を読んで、「麦踏」という農作業を想い出した。麦踏は、秋に蒔いた麦が冬になり 3~4 枚の本葉が出た頃から茎が伸び始める少し前までの間に何回か行なう作業で、霜の害、土壌の飛散などを防ぎ、根の張りや分蘖(ぶんげつ=分枝のこと)の数を増やし、丈夫なからだを育てる目的があるらしい。

 踏みつけられるストレスが根を深く張らせ、寒風のストレスが根や葉に甘みを与える。自然に携ってきた人々は、科学者が説明するようになるずっと前から、そのことを知り行ってきた。

 そして父なる神は、ご自分が造られた愛する子らに対して、いにしえからそれを行ってきた。

ヨハネ15:1,2

1 わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。 

2 わたしにつながっている枝で実を結ばないものは、父がすべてこれをとりのぞき、実を結ぶものは、もっと豊かに実らせるために、手入れしてこれをきれいになさるのである。