朽ち往く肉塊に宿る永遠への眼差し
ジャコメティの晩年の作品。
歩いてもいない。
空間に消えゆくように、佇んでいるわけでもない。
そこにいる。
ただ正座し、遠くを真っ直ぐ見つめている。
朽ち往く肉塊に宿る永遠への眼差し。
ヨブ19:25-27
わたしは知る、
わたしをあがなう者は生きておられる、
後の日に彼は必ず地の上に立たれる。
わたしの皮がこのように滅ぼされたのち、
わたしは肉を離れて神を見るであろう。
しかもわたしの味方として見るであろう。
わたしの見る者はこれ以外のものではない。
わたしの心はこれを望んでこがれる。
ジャコメッティの魂は、果たして永遠の命を見出したであろうか。