黙示録6:5-6
5 また、第三の封印を解いた時、第三の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、はかりを手に持っていた。
6 すると、わたしは四つの生き物の間から出て来ると思われる声が、こう言うのを聞いた、「小麦一ますは一デナリ。大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」。
この黒い馬の啓示と共観福音書の中にある啓示を合わせて考えると、これは「産みの苦しみ」の段階に起きる戦争や災害、飢饉によって、激しい食料難が発生することを予告するものであろう。
マタイ24:7-8
7 民は民に、国は国に敵対して立ち上がるであろう。またあちこちに、ききんが起り、また地震があるであろう。
8 しかし、すべてこれらは産みの苦しみの初めである。
マルコ13:8
民は民に、国は国に敵対して立ち上がるであろう。またあちこちに地震があり、またききんが起るであろう。これらは産みの苦しみの初めである。
ルカ21:11
また大地震があり、あちこちに疫病やききんが起り、いろいろ恐ろしいことや天からの物すごい前兆があるであろう。
「ます χοῖνιξ choinix」の正確な容量は知られていないが、だいたい一人の成人が一日に消費する量ではなかったかと言われている。1デナリは当時の労働者の一日分の賃金だったことを考えると、一人の大人が必死に働いてやっと自分の空腹を満たす程度のパンしか手に入らなくなる、と考えられるだろう。
なぜ「オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」と言われたかはわからないが、食料難ではあるが、やがて訪れる極度の状態に比べるとまだまし、ということだろうか。
実際、第七の封印が解かれ、七つのラッパと共に地上にもたらされる全地球規模の大災害(黙示録8-9章参照)を考慮すると、この段階でも食料難は「プレリュード」でしかないことが容易に理解できる。