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夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

パスポート・コントロール

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 もし空港のパスポート・コントロールで、入国管理局員に「あなたのパスポートは偽造されたパスポートである可能性があります」と言われたら、あなたはどんな対応をするだろうか。それが本物であると信じているあなたは、当然、どうにかしてそのことを証明しようとするだろう。そして唯一有効な手段は、発行元の大使館に証明してもらうことであることに気付くはずである。(余談だが、私は以前ローマでカバンごと全てを盗まれ、在伊日本大使館でパスポートの再発行を申請した経験があるが、「あなたがあなたであることを証明するものを提出してください」と言われ、随分困ったことがある。融通利かないということは、ある意味、一種の保証でもあると今では思えるが・・・。)

 入国管理局員にとって問題になっている点は、あなたのパスポートが本物であるかどうかであって、あなたの人格を批判しているのではない。むしろあなたが証明しようと努力していることによって、あなたの人格上の潔白性は明らかになる。たとえパスポートが実際に偽造されたものであっても、少なくともあなたがそれを知っていて悪利用しようとしたのではないことが証明されるのである。

 逆にもしそのような努力を見せず、入国管理局員を非難し、その国のシステムと国民に悪態をつき、「国交断絶!二度とこの国には来るもんか!」と叫んで、自国に戻ろうとするならば、問題はパスポートだけではなく、あなたの人格にまで及んでいることが明らかになるのだ。

 問題に対して誠実に向き合えば、越えられないと思っていた障害物の多くもいつの間にか消え去り、それまで知らなかった自由さえ与えられる。価値あるものを得るには代価を払うことが伴うが、得られた時の恩恵は常に代価を超えるという法則は、私達に対する神の憐みによるものだと思う。

箴言9:12

もしあなたに知恵があるならば、あなた自身のために知恵があるのである。もしあなたがあざけるならば、あなたひとりがその責めを負うことになる。 

 

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