an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

邪悪な策略に踏みにじられる人々

Ⅱサムエル15:1-6

1 この後、アブサロムは自分のために戦車と馬、および自分の前に駆ける者五十人を備えた。

2 アブサロムは早く起きて門の道のかたわらに立つのを常とした。人が訴えがあって王に裁判を求めに来ると、アブサロムはその人を呼んで言った、「あなたはどの町の者ですか」。その人が「しもべはイスラエルのこれこれの部族のものです」と言うと、

3 アブサロムはその人に言った、「見よ、あなたの要求は良く、また正しい。しかしあなたのことを聞くべき人は王がまだ立てていない」。

4 アブサロムはまた言った、「ああ、わたしがこの地のさばきびとであったならばよいのに。そうすれば訴え、または申立てのあるものは、皆わたしの所にきて、わたしはこれに公平なさばきを行うことができるのだが」。

5 そして人が彼に敬礼しようとして近づくと、彼は手を伸べ、その人を抱きかかえて口づけした。

6 アブサロムは王にさばきを求めて来るすべてのイスラエルびとにこのようにした。こうしてアブサロムはイスラエルの人々の心を自分のものとした。

Ⅱサムエル16:20-23

20 そこでアブサロムはアヒトペルに言った、「あなたがたは、われわれがどうしたらよいのか、計りごとを述べなさい」。

21 アヒトペルはアブサロムに言った、「あなたの父が家を守るために残された、めかけたちの所にはいりなさい。そうすればイスラエルは皆あなたが父上に憎まれることを聞くでしょう。そしてあなたと一緒にいる者の手は強くなるでしょう」。

22 こうして彼らがアブサロムのために屋上に天幕を張ったので、アブサロムは全イスラエルの目の前で父のめかけたちの所にはいった。

23 そのころアヒトペルが授ける計りごとは人が神のみ告げを伺うようであった。アヒトペルの計りごとは皆ダビデにもアブサロムにも共にそのように思われた。 

Ⅱサムエル20:3

ダビデはエルサレムの自分の家にきた。そして王は家を守るために残しておいた十人のめかけたちを取って、一つの家に入れて守り、また養ったが、彼女たちの所には、はいらなかった。彼女たちは死ぬ日まで閉じこめられ一生、寡婦としてすごした。

 ダビデ王の実の息子アブサロムは、父の王の座を奪うために、最初は民の不満分子を狡猾な手段で自分の方へ引き寄せ、実際にクーデターを起こした段階で、父ダビデの妾らを全イスラエルの目の前で辱しめるという下劣な行為をすることによって、敢えて憎悪を煽り、民の間で対立を深め、自分の手下の感情を操作し、自分の野望のために利用した。

 アヒトペルの策略はダビデにもアブサロムにも「神の御告げのよう」であったとある。しかしこの「神からの知恵らしき忠告」は、まるでエデンの園においてエバを唆した蛇の誘惑の言葉のように邪悪であった。

 だがこの邪悪な策略の一番の被害者は、ダビデ王ではない。最も無防備で弱い立場に置かれていたダビデ王の妾たちであった。

 今でも地上の権力者らは、自分達の野望の実現という餌に釣られ、サタンの邪悪な計画の駒として操られ、狡猾な策略と暴力によって混乱をまき散らしている。

 そして最も弱い人々が、いつも踏みにじられる。しかし義なる神はその全てを見ておられる。

詩篇50:16-23

16 しかし神は悪しき者に言われる、「あなたはなんの権利があってわたしの定めを述べ、わたしの契約を口にするのか。

17 あなたは教を憎み、わたしの言葉を捨て去った。

18 あなたは盗びとを見ればこれとむつみ、姦淫を行う者と交わる。

19 あなたはその口を悪にわたし、あなたの舌はたばかりを仕組む。

20 あなたは座してその兄弟をそしり、自分の母の子をののしる。

21 あなたがこれらの事をしたのを、わたしが黙っていたので、あなたはわたしを全く自分とひとしい者と思った。しかしわたしはあなたを責め、あなたの目の前にその罪をならべる。

22 神を忘れる者よ、このことを思え。さもないとわたしはあなたをかき裂く。そのときだれも助ける者はないであろう。

23 感謝のいけにえをささげる者はわたしをあがめる。自分のおこないを慎む者にはわたしは神の救を示す」。