十四万四千人の召命
黙示7:2-8
2 また、もうひとりの御使が、生ける神の印を持って、日の出る方から上って来るのを見た。彼は地と海とをそこなう権威を授かっている四人の御使にむかって、大声で叫んで言った、
3 「わたしたちの神の僕らの額に、わたしたちが印をおしてしまうまでは、地と海と木とをそこなってはならない」。
4 わたしは印をおされた者の数を聞いたが、イスラエルの子らのすべての部族のうち、印をおされた者は十四万四千人であった。
5 ユダの部族のうち、一万二千人が印をおされ、ルベンの部族のうち、一万二千人、ガドの部族のうち、一万二千人、
6 アセルの部族のうち、一万二千人、ナフタリの部族のうち、一万二千人、マナセの部族のうち、一万二千人、
7 シメオンの部族のうち、一万二千人、レビの部族のうち、一万二千人、イサカルの部族のうち、一万二千人、
8 ゼブルンの部族のうち、一万二千人、ヨセフの部族のうち、一万二千人、ベニヤミンの部族のうち、一万二千人が印をおされた。
黙示14:1-5
1 なお、わたしが見ていると、見よ、小羊がシオンの山に立っていた。また、十四万四千の人々が小羊と共におり、その額に小羊の名とその父の名とが書かれていた。
2 またわたしは、大水のとどろきのような、激しい雷鳴のような声が、天から出るのを聞いた。わたしの聞いたその声は、琴をひく人が立琴をひく音のようでもあった。
3 彼らは、御座の前、四つの生き物と長老たちとの前で、新しい歌を歌った。この歌は、地からあがなわれた十四万四千人のほかは、だれも学ぶことができなかった。
4 彼らは、女にふれたことのない者である。彼らは、純潔な者である。そして、小羊の行く所へは、どこへでもついて行く。彼らは、神と小羊とにささげられる初穂として、人間の中からあがなわれた者である。
5 彼らの口には偽りがなく、彼らは傷のない者であった。
この十四万四千人は、大患難期に神によって印を押され、神の僕として地上で証しする人々である。七章の引用句で解るように、彼らはイスラエルの民族に属する人々である。
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ユダ
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ルベン
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ガド
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アセル
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ナフタリ
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マナセ
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シメオン
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レビ
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イサカル
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ゼブルン
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ヨセフ
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ベニヤミン
創世記四十九章にあるヤコブの祝福の言葉のなかでは、「イスラエルの十二の部族」として以下の名前が出てくる。
- ルベン
- シメオン
- レビ
- ユダ
- ゼブルン
- イッサカル
- ダン
- ガド
- アセル
- ナフタリ
- ヨセフ
- ベニヤミン
申命記三十三章の「モーセの祝福」の中には、以下の名前が出てくる。
- ルベン
- ユダ
- レビ
- ベニヤミン
- ヨセフ (エフライム マナセ)
- ゼブルン
- イッサカル
- ガド
- ダン
- ナフタリ
- アセル
このリストには、シメオンの名前が消えている。代わりにヨセフの二人の子が、ヤコブの言葉通り(創世48:5)、ヤコブの子として数えられている。
またエゼキエル四十八章には、キリスト千年王国の時における領地配分について、十二部族の名前が出てくる。
- ダン
- アセル
- ネフタリ
- マナセ
- エフライム
- ルベン
- ユダ
- レビ
- ベンヤミン
- シメオン
- イッサカル
- ゼブルン
- ガド
また、同じ章に出てくるエルサレムの門には、イスラエルの部族の名前が付けられるとされているが、その名前は以下の通りである。
- ルベン
- ユダ
- レビ
- ヨセフ
- ベンヤミン
- ダン
- シメオン
- イッサカル
- ゼブルン
- ガド
- アセル
- ネフタリ
こうして比較してみると、黙示録にある十二部族のリストには、シメオンが再び現れ、ダンの名前が消えている。またエフライムの名が消え、ヨセフとして書かれている。ダンの名前が無いことに関して、色々な解釈がされているが、決定的な解釈というのはない。
興味深い点は、イスラエルの民族の中からこれらの十四万四千人が選ばれる、その選択の基準である。まず部族ごとに同じ人数だけ選ばれていること、また「女にふれたことのない者」「純潔な者」ということである。この基準は、イエスが十二弟子を恵みの福音宣教のために選び、送り出したその基準とは明らかに異なる。十二弟子の中で少なくともペテロは結婚していたし、それぞれの部族を代表して選ばれたという事実はないからである。これは、大患難期が現在の『異邦人の救いの時』とは明らかに異なるものであることを暗示していると思われる。
また、黙示録の中に列挙されているイスラエルの十二部族のなかには、当然、現在イスラエル人もしくはユダヤ人と呼ばれている人々の約七十から八十%を占めると言われている、アシュケナジ系ユダヤ人(所謂、ハザール王国を起源とするユダヤ人)が含まれていないことは、意味深い啓示として明記しておく必要があるだろう。