an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

初めての死は殺人(1)

創世記4:8,9

8 カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。 

9 主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。

 カインがたった一人の弟アベルを殺害するまで、人類は「生物学的死」を知らなかった。勿論、彼らの両親アダムとエバが、エデンの園で罪を犯したとき、霊的な死、すなわち生ける神との剝離が起きたが、それは物理的な死ではなかった。実際、彼らはエデンから追放されたが、生き続けたのである。

 人類史上初めての死が、神が定めた自然死ではなく、宗教的理由を発端とした人間の憎悪と暴力によってもたらされた事実を知ることは、非常に重要である。神を訴える無知で愚かな思考の束縛から私達を解放し、より責任をもって人間の現実を受け入れる精神の自由を得るためである。また、死を知らなかった神の御子が、人となり、宗教家の憎悪によって十字架にかけられたその贖いの死の意味を理解する土台となるであろう。

 さらに、人類史上初めての死をもたらした殺人犯カインに対する、主なる神の質問「弟アベルは、どこにいますか」と、「知りません」というカインの無責任な回答は、死生観における様々な混乱と、死後の命やその責任を否定する人間の傾向を、端的に語っているのではないだろうか。

 

「初めての死は殺人」(2)

http://eastwindow18.hatenadiary.com/entry/2013/10/01/053145