an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

主要停車駅

 まとまった時間が持てるときは、聖書の中の何か一書を選び、一気に読むことにしている。普段の読み方に慣れてしまうと部分に執着しがちで、全体像を見失う危険を過去に経験したからだ。細部にこだわらず、可能な時には声に出して読む。「各駅停車」ではなく、「特急」に乗ってみる。「停車する主要な駅」を再確認するためでもある。

 例えば使徒行伝を実際に読んでみて、使徒たちは、何を語っていたのか、どんなメッセージをもって、多くの迫害にもめげずに異国の地まで遥々宣教しに行ったのかを心に留めることは非常に重要である。現代的な宣教では、未信者に対して「あなたはありのままで愛されています」「イエスはあなたを愛しています」と語るのが一般的であるが、それでもやはり、使徒たちはまず「悔い改めよ」と宣べ伝えていたのである(使徒2:38、3:19、8:22)。それは洗礼者ヨハネによる宣教の主要テーマ(使徒13:24)であり、また全ての信者に委ねられている主要テーマ(使徒24:47)でもある。

 この世の反感を恐れて、メッセージを受け入れ易く「ソフトなもの」に代えても、結果として苦しむのはそれを聞いて教会に通い始める人たちであり、教会自身であることを忘れてはならない。