昔聴いたことがある歌に、こんな歌詞があった。
こなごなに砕かれた 鏡の上にも
新しい景色が 映される
作詞者がどんな想いでこの言葉を綴ったかは知らないが、
この言葉を聞いて、聖書のことが心に思い浮かんだ。
歴史の中でこの本ほど、非難と嘲笑、侮蔑、破棄という数々の苦難を通ってきた本はあるだろうか。
人々に踏みつけられ、破り捨てられ、火に焼かれ、好き勝手に扱われてきた。
それでもなお、同じように傷つき、壊れてしまった人の心の奥底に、「新しい景色」を映し出してくれる。
それまで全く見たことのない、でもずっと前から探していた「風景」を。