an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

「エジプトの川」はナイル川?

 添付した記事の中で、主なる神がアブラハムに約束した「約束の地」の境界線の「エジプトの川」が、ナイル川ではなくエル=アリーシュであることを書いた。

 しかしウィキペディアの説明では、それがナイル川のことであると主張され、様々な論拠が書かれている。以下はネット上で見つけた、「ナイル川説」による境界線を示す図である。

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 ただ非常に単純に考えて、もし主なる神がアブラハムにナイル川の東側のシナイ半島さえも与えると約束していたならば、モーセによってエジプトから導き出された民は、シナイ半島をパロの追跡から逃げていた段階で、すでに「約束の地」に入っていたことになってしまう。

 そのような想定は、パロに次ぐエジプトの権力者として、父ヤコブや兄弟たちにゴシェンの地を与えたヨセフが、死ぬ前に伝えた遺言(ナイル川の東側に行けばよかっただけのことになる!)や、12人の偵察のエピソードだけでなく、モーセ五書全体を実にナンセンスなものにしてしまう。

創世記50:24-25

24 ヨセフは兄弟たちに言った。「私は死のうとしている。神は必ずあなたがたを顧みて、この地からアブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地へ上らせてくださいます。」 

25 そうして、ヨセフはイスラエルの子らに誓わせて、「神は必ずあなたがたを顧みてくださるから、そのとき、あなたがたは私の遺体をここから携え上ってください。」と言った。 

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