an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

めんどりが翼の下にひなを集めるように

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 先日、ツイッターで【翕】という漢字について投稿したが、聖書の中には主なる神のご自身の民のための働きを「親鳥と幼鳥」のシンボルを使って表してる箇所が何か所もある。

申命記32:9ー12

9 主の割り当て分はご自分の民であるから、ヤコブは主の相続地である。 

10 主は荒野で、獣のほえる荒地で彼を見つけ、これをいだき、世話をして、ご自分のひとみのように、これを守られた。 

11 わしが巣のひなを呼びさまし、そのひなの上を舞いかけり、翼を広げてこれを取り、羽に載せて行くように

12 ただ主だけでこれを導き、主とともに外国の神は、いなかった。

 11節の「舞いかけり」と和訳されている動詞【רָחַף  râchaph】は、創世記1:2において「動いていた」と和訳されている原語【מְרַחֶפֶת】と同じ語根をもつ。

創世記1:1-2(新改訳)

1 初めに、神が天と地を創造した。

2 地は形がなく、何もなかった。やみが大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を動いていた

 天地創造の際に働いていた神の霊は、「わしが巣のひなを呼びさまし、そのひなの上を舞いかけり、翼を広げてこれを取り、羽に載せて行くように」、エジプトで奴隷として生活していたイスラエルの子らを呼び出し、約束の地へ向けて導き出した。

出エジプト19:4

『あなたがたは、わたしがエジプトびとにした事と、あなたがたを鷲の翼に載せてわたしの所にこさせたことを見た。 

 ボアズは、イスラエルの神を信じ、生まれ育ったモアブの土地を捨て、イスラエルの民と共に信仰の道を歩むことを決意した。 

ルツ2:11-12

11 ボアズは答えて彼女に言った、「あなたの夫が死んでこのかた、あなたがしゅうとめにつくしたこと、また自分の父母と生れた国を離れて、かつて知らなかった民のところにきたことは皆わたしに聞えました。

12 どうぞ、主があなたのしたことに報いられるように。どうぞ、イスラエルの神、主、すなわちあなたがその翼の下に身を寄せようとしてきた主からじゅうぶんの報いを得られるように」。  

  その信仰に生きた人々であったボアズとルツのひ孫であるダビデは、神の加護について以下のように祈っている。

詩篇17:6-9

6 神よ、わたしはあなたに呼ばわります。あなたはわたしに答えられます。どうか耳を傾けて、わたしの述べることをお聞きください。 

7 寄り頼む者をそのあだから右の手で救われる者よ、あなたのいつくしみを驚くばかりにあらわし、 

8  ひとみのようにわたしを守り、みつばさの陰にわたしを隠し、 

9 わたしをしえたげる悪しき者から、わたしを囲む恐ろしい敵から、のがれさせてください。 

 さらに詩篇の中には、似たような表現が繰り返し使われている。

詩篇36:7

神よ。あなたの恵みは、なんと尊いことでしょう。人の子らは御翼の陰に身を避けます。 

詩篇57:1

神よ。私をあわれんでください。私をあわれんでください。私のたましいはあなたに身を避けていますから。まことに、滅びが過ぎ去るまで、私は御翼の陰に身を避けます。 

詩篇61:4

私は、あなたの幕屋に、いつまでも住み、御翼の陰に、身を避けたいのです。セラ 

詩篇63:7

あなたは私の助けでした。御翼の陰で、私は喜び歌います。 

詩篇91:4

主は、ご自分の羽で、あなたをおおわれる。あなたは、その翼の下に身を避ける。主の真実は、大盾であり、とりでである。  

 そして御子イエス・キリストが地上に来られた時、旧約聖書に啓示されていた神のご自身の民への思いと同じ思いで、イスラエルの民に対して働きかけていたことが記されている。

マタイ23:37

ああ、エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、おまえにつかわされた人たちを石で打ち殺す者よ。ちょうど、めんどりが翼の下にそのひなを集めるように、わたしはおまえの子らを幾たび集めようとしたことであろう。それだのに、おまえたちは応じようとしなかった。 

ルカ13:34

ああ、エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、おまえにつかわされた人々を石で打ち殺す者よ。ちょうどめんどりが翼の下にひなを集めるように、わたしはおまえの子らを幾たび集めようとしたことであろう。それだのに、おまえたちは応じようとしなかった。

 しかし御子の十字架の死と復活、そして聖霊が遣わされたことによって、神の永遠の計画が明らかになった。

ヨハネ10:16

わたしにはまた、この囲いにいない他の羊がある。わたしは彼らをも導かねばならない。彼らも、わたしの声に聞き従うであろう。そして、ついに一つの群れひとりの羊飼となるであろう。 

エペソ1:8-10

8 神はその恵みをさらに増し加えて、あらゆる知恵と悟りとをわたしたちに賜わり、

9 御旨の奥義を、自らあらかじめ定められた計画に従って、わたしたちに示して下さったのである。

10 それは、時の満ちるに及んで実現されるご計画にほかならない。それによって、神は天にあるもの地にあるものを、ことごとく、キリストにあって一つに帰せしめようとされたのである。  

 この御子における神の贖いの計画は、終わりの時に完全に成就することが預言されている。「鳥が一斉に飛び立つ」ように教会は地上から携挙され、「多くの物事が一斉に起こる」大患難期に、イスラエルの民は御子イエスがメシアであることを受け入れ、そして御子は御使いを遣わして彼らを全世界から「集める」だろう。

Ⅰテサロニケ4:16-17

16 すなわち、主ご自身が天使のかしらの声と神のラッパの鳴り響くうちに、合図の声で、天から下ってこられる。その時、キリストにあって死んだ人々が、まず最初によみがえり、

17 それから生き残っているわたしたちが、彼らと共に雲に包まれて引き上げられ、空中で主に会い、こうして、いつも主と共にいるであろう。 

ダニエル12:1

その時あなたの民を守っている大いなる君ミカエルが立ちあがります。また国が始まってから、その時にいたるまで、かつてなかったほどの悩みの時があるでしょう。しかし、その時あなたの民は救われます。すなわちあの書に名をしるされた者は皆救われます。 

マルコ13:26-27

26 そのとき、大いなる力と栄光とをもって、人の子が雲に乗って来るのを、人々は見るであろう。

27 そのとき、彼は御使たちをつかわして、地のはてから天のはてまで、四方からその選民を呼び集めるであろう。  

 新しい天地において「天から下ってくる」新しいエルサレムは、この御子における神の計画の完成を表している。

黙示録21:1-4

1 わたしはまた、新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった。

2 また、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように用意をととのえて、神のもとを出て、天から下って来るのを見た。 

3 また、御座から大きな声が叫ぶのを聞いた、「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、

4 人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」。