an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

『ダニエル書「第70週の契約」』に関する検証

 ダニエル書9章に啓示されている「第七十週の契約」に関して、御子が十字架の贖罪のわざによって成し遂げた契約であるという解釈を展開している。全体的に難解で何度か読まないと理解しにくいところがあったが、少なくとも『マタイによる福音書』に記録されている御子イエス自身の言葉の光によって、再確認が必要ではないかと思う。

マタイ24:15-22

15 預言者ダニエルによって言われた荒らす憎むべき者が、聖なる場所に立つのを見たならば(読者よ、悟れ)、

16 そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げよ。

17 屋上にいる者は、家からものを取り出そうとして下におりるな。

18 畑にいる者は、上着を取りにあとへもどるな。

19 その日には、身重の女と乳飲み子をもつ女とは、不幸である。

20 あなたがたの逃げるのが、冬または安息日にならないように祈れ。

21 その時には、世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである。

22 もしその期間が縮められないなら、救われる者はひとりもないであろう。しかし、選民のためには、その期間が縮められるであろう。  

 福音書記者マタイは霊感を受けて御子イエス・キリストの言葉を思い出し、それを書き残しているのだが、御子はまさにダニエル書の9章と12章の預言を根拠に、「世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難」の期間について弟子たちに語っているのである。

ダニエル9:27

彼は一週の間多くの者と、堅く契約を結ぶでしょう。そして彼はその週の半ばに、犠牲と供え物とを廃するでしょう。また荒す者が憎むべき者の翼に乗って来るでしょう。こうしてついにその定まった終りが、その荒す者の上に注がれるのです」。

ダニエル12:11

常供の燔祭が取り除かれ、荒す憎むべきものが立てられる時から、千二百九十日が定められている。 

 「神のことば」である御子イエス自身が、ダニエル9章の預言をご自身の地上宣教の期間ではなく、「荒らす憎むべき者」反キリストが現れる大患難期に適用しているのだから、私達もヘブライ語の蘊蓄以前に、御子自身の適用を根拠に読解すべきだろう。