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an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

人は見かけによらぬもの

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 普段の買い物に利用しているスーパーで、レジの台のところに商品を載せ終わり、ふと顔を上げると、自分の前にいる男性に目がいった。というか、メタリックな光の反射がまず視界に入った、と表現する方が正確かもしれない。服だけでなく、顔の部位にも私の工具箱の中にあるような金属片がたくさんぶら下がっている。いわゆるパンクスタイルの、20代後半ぐらいの男性がそこに立っていた。

 「空港のセキュリティーでは大変だろうな」などとくだらないことを考えていたのだが、同じレジ台に彼が載せていた商品を見て、思わず二度見してしまった。ベジタリアン・ハンバーグの手前に、何と「Konnbu」や「Wakame」が置いてあるではないか!

 イタリアでは最近の寿司ブームのおかげで、やっと大手スーパーでも和食の食材を取り扱うようになってきたが、イタリア人のモヒカン風カットのパンク兄さんが乾燥わかめや10枚入り乾燥昆布を買っているのを目の前にして、湧き上がる好奇心を抑えることはできなかった。さりげなく「これ、もしかして昆布ですか」と聞いてみたところ、想像していたよりはるかにデリケートなトーンの声で、自分の食体験を語ってくれた。何年か前にわかめと昆布を初めて食べ、とても美味しかったので、それからずっと食べ続けていると、少し照れ笑いを浮かべながら語ってくれた。味噌汁も豆腐も大好きらしい。

 改めて自分がレジ台に載せていた食品が見直して、「イタリア人のあなたは健康的な和食を食べているのに、日本人の私ときたら、ほら、見て。羊乳のチーズとか生ハムとか...」と呟いたら、すかさずレジ係の女性に「チョコレートプリンとか...」と突っ込まれ、三人で大笑いした。

 全く「人は見かけによらぬもの」である。

サムエル上16:7d

「人は外の顔かたちを見、主は心を見る」 。