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夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

Amir Tsarfati(アミール・ツァルファティ)氏の『中東問題に関する聖書預言』について


中東問題について、聖書預言 AmirTsafati-MiddleEastProphacy

 おそらくこのビデオに日本語字幕をつけた方が書いた紹介によると、カリフォルニア州の教会(どこの教会だか詳細はない)で講演したAmir Tsarfati(アミール・ツァルファティ)氏は、以下のような人物である。

Amir Tsarfati:
聖書預言学者、公認ツアーガイド、旅行会社CEOの他、
国土安全保障省顧問であり、イスラエル軍の中心的存在
また、イスラエル在住の、イエス・キリストを受け入れ、クリスチャンとなった伝統的なユダヤ人。

  またTsarfati氏本人のサイト(Behold Israel)によると、実際彼はインテリジェンス関連のコンサルタントのようである(イスラエルにおける「国土安全保障省」という政府機関がどれに該当するかはよくわからないが、軍関連ということは要するに「Military Intelligence Directorate イスラエル参謀本部諜報局アマーン」ということだろうか)。

ABOUT AMIR TSARFATI

Amir was born to a Jewish family in Jerusalem. He grew up in the Jerusalem area and heard about the Messiah while living with a foster family as a high school senior. It was when he saw the “Jesus” film by Campus Crusade that he accepted Jesus into his heart, the turning point in his life.

Amir joined the Israel Defense Forces in 1990 and underwent basic training during the first Gulf War. He served for close to a year in the IDF Armored (Tank) Corps and after graduating from officer’s academy in 1992, he was stationed in Jericho. Shortly afterward, the peace process began and Jericho was the first city transferred to the Palestinian Authority. Amir, then 21, was appointed as active Deputy Governor of Jericho and the Jordan Valley, also becoming one of Israel’s military negotiators with the Palestinians.

Since 1999, Amir has been invited to churches, prophecy seminars and conferences around the world, to teach on current events in Israel in light of Bible prophecy. Since 2004, Amir has been consultant to various law enforcement agencies and seminars on homeland-security issues.

Amir, his wife and their four children live in northern Israel.

 Tsarfati氏はユダヤ人であるから、聖書の解釈がユダヤ的になるのは避けられないのかもしれない。また軍事インテリジェンス関連で働いているのだから、武力行使を肯定するのは当然なのかもしれない。

 しかしエゼキエル37章の預言は、やがて来る大患難期においてイスラエル人が「イエスは自分の救い主だ」と信じることで新しい霊と新しい心を受け、その後に実現するキリストの千年王国によって完全に成就するのであって、第二次大戦下の迫害を経てパレスチナの地に建国したことが預言の成就の本質ではない。

エゼキエル36:24-28

24 わたしはあなたがたを諸国民の中から導き出し、万国から集めて、あなたがたの国に行かせる。

25 わたしは清い水をあなたがたに注いで、すべての汚れから清め、またあなたがたを、すべての偶像から清める。

26 わたしは新しい心をあなたがたに与え、新しい霊をあなたがたの内に授け、あなたがたの肉から、石の心を除いて、肉の心を与える。

27 わたしはまたわが霊をあなたがたのうちに置いて、わが定めに歩ませ、わがおきてを守ってこれを行わせる。

28 あなたがたは、わたしがあなたがたの先祖に与えた地に住んで、わが民となり、わたしはあなたがたの神となる。

エゼキエル37:1-14

1 主の手がわたしに臨み、主はわたしを主の霊に満たして出て行かせ、谷の中にわたしを置かれた。そこには骨が満ちていた。

2 彼はわたしに谷の周囲を行きめぐらせた。見よ、谷の面には、はなはだ多くの骨があり、皆いたく枯れていた。

3 彼はわたしに言われた、「人の子よ、これらの骨は、生き返ることができるのか」。わたしは答えた、「主なる神よ、あなたはご存じです」。 

4 彼はまたわたしに言われた、「これらの骨に預言して、言え。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。

5 主なる神はこれらの骨にこう言われる、見よ、わたしはあなたがたのうちに息を入れて、あなたがたを生かす。

6 わたしはあなたがたの上に筋を与え、肉を生じさせ、皮でおおい、あなたがたのうちに息を与えて生かす。そこであなたがたはわたしが主であることを悟る」。

7 わたしは命じられたように預言したが、わたしが預言した時、声があった。見よ、動く音があり、骨と骨が集まって相つらなった。

8 わたしが見ていると、その上に筋ができ、肉が生じ、皮がこれをおおったが、息はその中になかった。

9 時に彼はわたしに言われた、「人の子よ、息に預言せよ、息に預言して言え。主なる神はこう言われる、息よ、四方から吹いて来て、この殺された者たちの上に吹き、彼らを生かせ」。

10 そこでわたしが命じられたように預言すると、息はこれにはいった。すると彼らは生き、その足で立ち、はなはだ大いなる群衆となった。

11 そこで彼はわたしに言われた、「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。見よ、彼らは言う、『われわれの骨は枯れ、われわれの望みは尽き、われわれは絶え果てる』と。

12 それゆえ彼らに預言して言え。主なる神はこう言われる、わが民よ、見よ、わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓からとりあげて、イスラエルの地にはいらせる。

13 わが民よ、わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたをその墓からとりあげる時、あなたがたは、わたしが主であることを悟る。

14 わたしがわが霊を、あなたがたのうちに置いて、あなたがたを生かし、あなたがたをその地に安住させる時、あなたがたは、主なるわたしがこれを言い、これをおこなったことを悟ると、主は言われる」。 

 そして「新しい心と新しい霊を神から受ける」とは、主イエス・キリストがユダヤ人の指導者でありパリサイびとであったニコデモに語っていた真理を意味し、それ以外のことではない。

ヨハネ3:1-8

1 パリサイ人のひとりで、その名をニコデモというユダヤ人の指導者があった。

2 この人が夜イエスのもとにきて言った、「先生、わたしたちはあなたが神からこられた教師であることを知っています。神がご一緒でないなら、あなたがなさっておられるようなしるしは、だれにもできはしません」。

3 イエスは答えて言われた、「よくよくあなたに言っておく。だれでも新しく生れなければ、神の国を見ることはできない」。

4 ニコデモは言った、「人は年をとってから生れることが、どうしてできますか。もう一度、母の胎にはいって生れることができましょうか」。

5 イエスは答えられた、「よくよくあなたに言っておく。だれでも、水と霊とから生れなければ、神の国にはいることはできない。

6 肉から生れる者は肉であり、霊から生れる者は霊である。

7 あなたがたは新しく生れなければならないと、わたしが言ったからとて、不思議に思うには及ばない。

8 風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞くが、それがどこからきて、どこへ行くかは知らない。霊から生れる者もみな、それと同じである」。

 ユダヤ人の父であるアブラハムが主なる神によって義と認められたのは、彼がカルデヤのウルから約束の地に移住したからだけではない。信仰によって神が用意していた「ゆるがぬ土台の上に建てられた都」「天にあるふるさと」を求めていたからである。だからこそ御国の王であるキリストを見て喜んだ。

へブル11:8-16

8 信仰によって、アブラハムは、受け継ぐべき地に出て行けとの召しをこうむった時、それに従い、行く先を知らないで出て行った。

9 信仰によって、他国にいるようにして約束の地に宿り、同じ約束を継ぐイサク、ヤコブと共に、幕屋に住んだ。

10 彼は、ゆるがぬ土台の上に建てられた都を、待ち望んでいたのである。その都をもくろみ、また建てたのは、神である。

11 信仰によって、サラもまた、年老いていたが、種を宿す力を与えられた。約束をなさったかたは真実であると、信じていたからである。

12 このようにして、ひとりの死んだと同様な人から、天の星のように、海べの数えがたい砂のように、おびただしい人が生れてきたのである。

13 これらの人はみな、信仰をいだいて死んだ。まだ約束のものは受けていなかったが、はるかにそれを望み見て喜び、そして、地上では旅人であり寄留者であることを、自ら言いあらわした。

14 そう言いあらわすことによって、彼らがふるさとを求めていることを示している。

15 もしその出てきた所のことを考えていたなら、帰る機会はあったであろう。

16 しかし実際、彼らが望んでいたのは、もっと良い、天にあるふるさとであった。だから神は、彼らの神と呼ばれても、それを恥とはされなかった。事実、神は彼らのために、都を用意されていたのである。 

ヨハネ8:56

あなたがたの父アブラハムは、わたしのこの日を見ようとして楽しんでいた。そしてそれを見て喜んだ」。

 また第2ペテロ3章の聖句について、Tsarfati氏は千年王国の成就において引用しているが、使徒ペテロ(彼も他の使徒と同様、イエスがメシアであると信じ、救われたユダヤ人であった)が念頭にあったのは、ダビデ王に約束されていた地上における王国の実現ではなく、「義の住む新しい天と新しい地」である。

Ⅱペテロ3:8-14

8 愛する者たちよ。この一事を忘れてはならない。主にあっては、一日は千年のようであり、千年は一日のようである。

9 ある人々がおそいと思っているように、主は約束の実行をおそくしておられるのではない。ただ、ひとりも滅びることがなく、すべての者が悔改めに至ることを望み、あなたがたに対してながく忍耐しておられるのである。

10 しかし、主の日は盗人のように襲って来る。その日には、天は大音響をたてて消え去り、天体は焼けてくずれ、地とその上に造り出されたものも、みな焼きつくされるであろう。

11 このように、これらはみなくずれ落ちていくものであるから、神の日の到来を熱心に待ち望んでいるあなたがたは、

12 極力、きよく信心深い行いをしていなければならない。その日には、天は燃えくずれ、天体は焼けうせてしまう。

13 しかし、わたしたちは、神の約束に従って、義の住む新しい天と新しい地とを待ち望んでいる。

14 愛する者たちよ。それだから、この日を待っているあなたがたは、しみもなくきずもなく、安らかな心で、神のみまえに出られるように励みなさい。 

 確かに主自身が地上で宣教したときも、使徒たちが宣教したときも、新約聖書はまだ存在しておらず、彼らは旧約聖書を読んでいた。しかし問題は、主イエスを拒んでいたパリサイびとらも、同じ旧約聖書を暗記するほど読み、研究していたのである!

ヨハネ5:39-40;45-47

39 あなたがたは、聖書の中に永遠の命があると思って調べているが、この聖書は、わたしについてあかしをするものである。

40 しかも、あなたがたは、命を得るためにわたしのもとにこようともしない。 

45 わたしがあなたがたのことを父に訴えると、考えてはいけない。あなたがたを訴える者は、あなたがたが頼みとしているモーセその人である。

46 もし、あなたがたがモーセを信じたならば、わたしをも信じたであろう。モーセは、わたしについて書いたのである。

47 しかし、モーセの書いたものを信じないならば、どうしてわたしの言葉を信じるだろうか」。

 だから問題の本質は、新約聖書の有無ではない。アブラハムは、旧約聖書さえも持っていなかった。しかし信仰によって御子を見たのである。重要な点は、旧約・新約聖書を読むことできる私たちが、どのような霊によって聖書を読むかである。エマオへの道で二人の弟子らに旧約聖書全体を通してご自身を証した復活した主イエスのもとへ行くかどうか、御子のことを証する聖霊に遜って声を聞くかどうかである。

ルカ24:25-27

25 そこでイエスが言われた、「ああ、愚かで心のにぶいため、預言者たちが説いたすべての事を信じられない者たちよ。

26 キリストは必ず、これらの苦難を受けて、その栄光に入るはずではなかったのか」。

27 こう言って、モーセやすべての預言者からはじめて、聖書全体にわたり、ご自身についてしるしてある事どもを、説きあかされた。 

ヨハネ15:26

わたしが父のみもとからあなたがたにつかわそうとしている助け主、すなわち、父のみもとから来る真理の御霊が下る時、それはわたしについてあかしをするであろう。

ヨハネ16:13-14

13 けれども真理の御霊が来る時には、あなたがたをあらゆる真理に導いてくれるであろう。それは自分から語るのではなく、その聞くところを語り、きたるべき事をあなたがたに知らせるであろう。

14 御霊はわたしに栄光を得させるであろう。わたしのものを受けて、それをあなたがたに知らせるからである。 

 

追記1(2016年3月5日):

 アメリカでボディーガードをしているジム・ワグナー氏のサイトJim Wagner Reality-Based Personal Protectionによると、2008年にアミール・ツァルファティ氏がアメリカに講演に行った時、護衛を担当したようである。彼によると、ツァルファティ氏は「イスラエル国防軍(IDF)の大尉」と紹介されている。

  2015年のあるビデオでは「Major 少佐」という肩書がついているので、昇進したのだろう。つまり彼は現役の軍人である。勿論、私は彼のキャリア自体に興味があるわけではない。ただ彼がひとつの政治国家に忠誠を誓った軍人(しかもインテリジェンス関連)であり、国民の税金によって支えられている組織に属することは、彼の主張を客観的に判断するための重要な要素であると思う。

 

追記2(2017年8月27日):

 ビデオの講演が行われた場所について「カリフォルニア州の教会(どこの教会だか詳細はない)」と書いたが、調べてみたらサンディエゴの「Shadow Mountain Community Church」(http://www.shadowmountain.org/default.aspx)であることが分かった。この教会の牧師はDavid Jeremiahで、『レフト・ビハインド』シリーズの著者であり牧師であったティム・ラヘイ(Timothy F.LaHaye)の後任として1981年から牧会している。

 ツァルファティ氏のホームページの「Amir's Friends」のリストでは、一番目に彼の名が挙げられている。

(2017年9月29日の時点でのスクリーンショット)

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 なぜこの教会のことを知ろうと思ったかというと、ビデオの中で映っているように、礼拝堂の正面のステンドグラスが「ホルスの目」「プロビデンスの目」にデザインされているのが気になったからである。

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 詩篇119:130a「The entrance of thy words giveth light/み言葉が開けると光を放って」が読める。

 勿論、これをもってDavid Jeremiah牧師がフリーメーソンと関係していると主張することはできないが、一つの資料として参考にして頂きたい。

 

追記3(2017年9月29日):

 この記事を書いた当初から、Tsarfati氏の苗字のカタカナ表記を【ツァルファティ】としていたのだが、冒頭のビデオの字幕を付けた方が【トサルファティ】と表記していたのを見て、途中訂正した。

 しかし改めてSarfati - Wikipediaによって確認してみると、やはり【ツァルファティ】の方がより近い表記だと思ったので、最初の表記に戻すことにした。

 ちなみにこの苗字(及びそのバリエーションSarfatti、Sarphati、Serfaty、Sarfaty、Sarfity、Zarfati、Tzarfati)は、セファルディム系ユダヤ人のもので、ヘブライ語で【フランス人】という意味ということである。

 

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