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夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

主なる神の前に立つ備え

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 先日、隣の家のお爺さんが亡くなった。八十九歳であった。 孫に恵まれなかったせいか、私の娘を自分の孫のように愛し、まるで子供同士で無邪気に遊んでいる様子は見ていて実に微笑ましかった。典型的な収集マニアで、鉱石、古い雑誌、おもちゃ、コイン、切手など、あらゆるものを収集し、実に几帳面に整理していくことを何時間でもできる人であった。

 昨日、一人残された彼の奥さんに頼まれて、彼の使っていたベッドを移動するために彼の書斎に入ると、寸分の狂いもなく置かれた彼の数々のコレクションが、主人を失って空虚に取り残されているようで、実に痛々しかった。

 まさしく神のしもべヨブの「わたしは裸で母の胎を出た。また裸でかしこに帰ろう」(ヨブ1:21)という言葉通り、人間は両手を固く握りしめてこの世に生まれ、両手を開いて何も持たずに去って行く。

Ⅰテモテ6:7

わたしたちは、何ひとつ持たないでこの世にきた。また、何ひとつ持たないでこの世を去って行く。

 しかし重病を患ったり、地上の生涯を終える時に至るまでもなく、たとえ五体満足で何の不自由もない生活をおくっていたとしても、一人ふと立ち止まり、周囲を見回すと、自分が「持っている」と信じているものが実は有為転変で、とても儚いものであることに気づくものである。実際、「持っているのが当たり前」と思い込んでいるものを失う時は、すべての人に訪れ、それは多くの場合、思わぬ時、そして望まぬ時に来るからである。

 「どこへ行くのか」「何が待っているか」「何をすればいいのか」分からず、何も持たずに、突然、神の前に立つことになる。あなたは一人である。それまで憎まれ口を叩きながらもあなたの隣に寄り添って人は、もうそこにはいない。

 何を希望にすればいいのだろうか。どんな希望があるだろうか。あなたが知ろうとしなかった、そして全く知らない神が、あなたのことを「間違いもたくさんしたけど、総合的にみると悪い人ではなかった」と言ってくれることを期待すべきか。

 預言者アモスの時代、主なる神は背き続けるイスラエルの民を「炎の中から取り出された燃えさし」に譬えた。その罪のゆえ何度も裁きの炎を下しながらも、二度と出てくることのできない永遠の炎の中でソドムとゴモラのように滅ぼすことを望んでいなかった主は、イスラエルを炎の中から取り出し、何度も悔い改めるよう警告した。「あなたの神に会う備えをせよ」と。

アモス4:11-12

11 「わたしはあなたがたのうちの町を神がソドムとゴモラを滅ぼされた時のように滅ぼしたので、あなたがたは炎の中から取り出された燃えさしのようであった。それでも、あなたがたはわたしに帰らなかった」と主は言われる。

12 「それゆえイスラエルよ、わたしはこのようにあなたに行う。わたしはこれを行うゆえ、イスラエルよ、あなたの神に会う備えをせよ」。 

 主なる神に会う唯一の備えとは、イエス・キリストによる罪の赦しを信じることである。彼こそ神の右に座し、裁きの座においてあなたのことを「罪なし」と宣言してくださる唯一の仲保者であり、唯一の救い主である。

Ⅰテモテ2:4-6

4 神は、すべての人が救われて、真理を悟るに至ることを望んでおられる。

5 神は唯一であり、神と人との間の仲保者もただひとりであって、それは人なるキリスト・イエスである。

6 彼は、すべての人のあがないとしてご自身をささげられたが、それは、定められた時になされたあかしにほかならない。

Ⅱペテロ3:8-9;14-15

8 愛する者たちよ。この一事を忘れてはならない。主にあっては、一日は千年のようであり、千年は一日のようである。

9 ある人々がおそいと思っているように、主は約束の実行をおそくしておられるのではない。ただ、ひとりも滅びることがなく、すべての者が悔改めに至ることを望み、あなたがたに対してながく忍耐しておられるのである。

14 愛する者たちよ。それだから、この日を待っているあなたがたは、しみもなくきずもなく、安らかな心で、神のみまえに出られるように励みなさい。

15 また、わたしたちの主の寛容は救のためであると思いなさい。

 

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