創世記19:15,16
15 夜が明けて、み使たちはロトを促して言った 「立って、ここにいるあなたの妻とふたりの娘とを連れ出しなさい。そうしなければ、あなたもこの町の不義のために滅ぼされるでしょう」。
16 彼はためらっていたが、主は彼にあわれみを施されたので、かのふたりは彼の手と、その妻の手と、ふたりの娘の手を取って連れ出し、町の外に置いた。
ソドムの町の人々は、メソポタミアのケダラオメル王らの侵略によって奴隷として連れ去られそうになった時、信仰者アブラハムと祭司メルキセデクを通して、いと高き神の証しを受けていた人々であった。(創世記十四章参照)
それにもかかわらず彼らは放縦に留まることを選び、神の二人の御使いが訪れた時、彼らに暴行を加えようとさえした。
この二人の御使いらがそれぞれ両手を差し出し、ためらうロトと彼の妻、そして二人の娘たちの手をしっかり握りしめ、ソドムの町から連れ出そうとした行動に、神の深い憐れみが顕されている。また、罪に対する妥協なき裁きも見出すことができる。
御使いは人間の姿となり、その両手を使い、ロトの家族をソドムに対して下される神の裁きから引き離そうとした。ロトの家族には、ソドムの町に留まって救われる術はなかったからである。
主なる神は、愛する御子キリストを罪人の救いのために遣わされた。御子は人の姿をとり、罪人の救いのために差し伸べられた両手には、十字架の上で釘が打ち込まれた。そして復活したイエス・キリストは、半信半疑の弟子達に向かって両手を差し伸べた。
ヨハネ20:19,20
19 その日、すなわち、一週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人をおそれて、自分たちのおる所の戸をみなしめていると、イエスがはいってきて、彼らの中に立ち、「安かれ」と言われた。
20 そう言って、手とわきとを、彼らにお見せになった。弟子たちは主を見て喜んだ。
ヨハネ19:26,27
26 八日ののち、イエスの弟子たちはまた家の内におり、トマスも一緒にいた。戸はみな閉ざされていたが、イエスがはいってこられ、中に立って「安かれ」と言われた。
27 それからトマスに言われた、「あなたの指をここにつけて、わたしの手を見なさい。手をのばしてわたしのわきにさし入れてみなさい。信じない者にならないで、信じる者になりなさい」。
イザヤ65:1,2
1 わたしはわたしを求めなかった者に問われることを喜び、わたしを尋ねなかった者に見いだされることを喜んだ。わたしはわが名を呼ばなかった国民に言った、「わたしはここにいる、わたしはここにいる」と。
2 よからぬ道に歩み、自分の思いに従うそむける民に、わたしはひねもす手を伸べて招いた。
主なる神は、今でも変わらず私達が滅びることがないように、救いの手を差し伸べている。