an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

キリストを通して顕れた神の義(2)

ルカ12:13-15

13 群衆の中のひとりがイエスに言った、「先生、わたしの兄弟に、遺産を分けてくれるようにおっしゃってください」。

14 彼に言われた、「人よ、だれがわたしをあなたがたの裁判人または分配人に立てたのか」。

15 それから人々にむかって言われた、「あらゆる貪欲に対してよくよく警戒しなさい。たといたくさんの物を持っていても、人のいのちは、持ち物にはよらないのである」。

 このエピソードにおける遺産を貰いそびれた男にとって、自分の兄の行為は間違っており、イエス・キリストはその行為を戒めるべきだ、と考えていた。だから群衆の前でイエスに訴え出たのである。しかし、イエスの義にとって真の問題は、兄の行為でなく、この弟の心を含めて全ての人々の心を蝕む「貪欲」だった。だからこそイエスは「人々に」向かって「あらゆる貪欲に対してよくよく警戒しなさい」と言われたのである。

 このイエスの警告は、私達の正義感が実は不純な動機や欲望から発する可能性が大いにあることを啓示している。ヤコブの手紙にある通りである。

ヤコブ4:1-3

1 あなたがたの中の戦いや争いは、いったい、どこから起るのか。それはほかではない。あなたがたの肢体の中で相戦う欲情からではないか。

2 あなたがたは、むさぼるが得られない。そこで人殺しをする。熱望するが手に入れることができない。そこで争い戦う。あなたがたは、求めないから得られないのだ。

3 求めても与えられないのは、快楽のために使おうとして、悪い求め方をするからだ。

4 不貞のやからよ。世を友とするのは、神への敵対であることを、知らないか。おおよそ世の友となろうと思う者は、自らを神の敵とするのである。 

 そして神の義は、貪欲な者が不品行を犯す者同様、神の国を継ぐことが出来ないと明確に啓示している。

エペソ5:5-7

5 あなたがたは、よく知っておかねばならない。すべて不品行な者、汚れたことをする者、貪欲な者、すなわち、偶像を礼拝する者は、キリストと神との国をつぐことができない。

6 あなたがたは、だれにも不誠実な言葉でだまされてはいけない。これらのことから、神の怒りは不従順の子らに下るのである。

7 だから、彼らの仲間になってはいけない。 

 人間的・地上的正義の衣を着た貪欲な心から出てくる不誠実な言葉(これら言葉は外部から入ってくる場合もあるが、自分自身の心から生まれる場合もある)に騙されてはならない。そのような詭弁を弄する者の仲間になってはならない。