ボローニャ市の近くを通るレーノ川の畔で、野生のガチョウの群れがいた。恐る恐る近づいてみると、群れの中に三羽のヒナ(幼鳥と呼ぶべきか)がいるではないか。
驚いたのが、躓きながらヨタヨタ歩くヒナを囲むように、親鳥だけでなく群れ全体が、見慣れぬ東洋人の接近に警戒していたのだろう、頭を上げて四方に気を配りながら移動していたことである。ヒナが進む速度に合わせてゆっくり歩き、ヒナが小さな段差を自力で乗り越えるのを、私のポジションを確認しながら絶妙な位置で見守っていた。
たかがガチョウ、されどガチョウ。学ぶべきこと少なからず、である。