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an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

教会の政治形態とその霊(1)

聖書による検証 教会

  教会政治形態(地域教会がどの様な組織形態によって運営・管理されるべきかという問題)について、ある人物と話す機会があった。彼の意見では、新約聖書には牧師一人と数人の役員によって構成された権威集中型の牧会は一例もなく、複数の長老たちのグループによる合議的運営の例しかない、と主張していた。

 確かに以下に引用した箇所は、一つの地域教会に霊的責任を任された複数の長老たちが存在していたことを証明している。(「単数」「複数」の挿入は、引用者によるものである。)

  • パウロとバルナバが第一次伝道旅行で宣教した小アジアの町々の教会(デルベ、ルステラ、イコニオム、アンテオケ)

使徒14:23

また教会ごと(単数)に彼らのために長老たち(複数)を任命し、断食をして祈り、彼らをその信じている主にゆだねた。 

  • エペソの教会

使徒20:17,28

20 そこでパウロは、ミレトからエペソに使をやって、教会(単数)の長老たち(複数)を呼び寄せた。 

28 どうか、あなたがた自身に気をつけ、また、すべての群れに気をくばっていただきたい。聖霊は、神が御子の血であがない取られた神の教会を牧させるために、あなたがたをその群れの監督者にお立てになったのである。 

  • ピリピの教会

ピリピ1:1

キリスト・イエスの僕たち、パウロとテモテから、ピリピにいる、キリスト・イエスにあるすべての聖徒たち、ならびに監督たち(複数)と執事たちへ。 

  • クレテ島の町々の教会

テトス1:5

私があなたをクレテに残したのは、あなたが残っている仕事の整理をし、また、私が指図したように、町ごとに長老たち(複数)を任命するためでした。

  • テサロニケの教会

Ⅰテサロニケ1:1

パウロとシルワノとテモテから、父なる神と主イエス・キリストとにあるテサロニケ人たちの教会(単数)へ。恵みと平安とが、あなたがたにあるように。

5:12

兄弟たちよ。わたしたちはお願いする。どうか、あなたがたの間で労し、主にあってあなたがたを指導し、かつ訓戒している人々(複数)を重んじ、 

  • 主にイエス・キリストを信じたイスラエルの十二部族の人々

ヤコブ5:14

あなたがたの中に、病んでいる者があるか。その人は、教会(単数)の長老たち(複数)を招き、主の御名によって、オリブ油を注いで祈ってもらうがよい。 

 まず教会の起源からして、複数の使徒たちによって構成されたグループが核となっていた。

  • イエス・キリストは、教会をこの世に遣わすにあたって、十二人の使徒を任命した。

マタイ28:16-20

16 さて、十一人の弟子たちはガリラヤに行って、イエスが彼らに行くように命じられた山に登った。 

17 そして、イエスに会って拝した。しかし、疑う者もいた。 

18 イエスは彼らに近づいてきて言われた、「わたしは、天においても地においても、いっさいの権威を授けられた。 

19 それゆえに、あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し、 

20 あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ、わたしは世の終りまで、いつもあなたがたと共にいるのである」。 

  • 十二使徒の一人だったイスカリオテのユダが裏切ったことによって欠員が出た時、エルサレムの教会はその埋め合わせをし、十二人という使徒の人数を保つように導かれた。

使徒1:15-26

15 そのころ、百二十名ばかりの人々が、一団となって集まっていたが、ペテロはこれらの兄弟たちの中に立って言った、 

16 「兄弟たちよ、イエスを捕えた者たちの手びきになったユダについては、聖霊がダビデの口をとおして預言したその言葉は、成就しなければならなかった。 

17 彼はわたしたちの仲間に加えられ、この務を授かっていた者であった。( 

18 彼は不義の報酬で、ある地所を手に入れたが、そこへまっさかさまに落ちて、腹がまん中から引き裂け、はらわたがみな流れ出てしまった。 

19 そして、この事はエルサレムの全住民に知れわたり、そこで、この地所が彼らの国語でアケルダマと呼ばれるようになった。「血の地所」との意である。) 

20 詩篇に、『その屋敷は荒れ果てよ、そこにはひとりも住む者がいなくなれ』と書いてあり、また『その職は、ほかの者に取らせよ』とあるとおりである。 

21 そういうわけで、主イエスがわたしたちの間にゆききされた期間中、 

22 すなわち、ヨハネのバプテスマの時から始まって、わたしたちを離れて天に上げられた日に至るまで、始終わたしたちと行動を共にした人たちのうち、だれかひとりが、わたしたちに加わって主の復活の証人にならねばならない」。 

23 そこで一同は、バルサバと呼ばれ、またの名をユストというヨセフと、マッテヤとのふたりを立て、 

24 祈って言った、「すべての人の心をご存じである主よ。このふたりのうちのどちらを選んで、 

25 ユダがこの使徒の職務から落ちて、自分の行くべきところへ行ったそのあとを継がせなさいますか、お示し下さい」。 

26 それから、ふたりのためにくじを引いたところ、マッテヤに当ったので、この人が十一人の使徒たちに加えられることになった。 

 しかし、十二人の使徒達によって構成されたグループは、教会の組織的運営というよりも、「福音の宣教」という明確な目的のために任命されていたことが理解できる。主イエスの宣教命令や「主の復活の証人にならねばならない」という言葉がそれを示している。使徒達も自分たちの任務を明確に自覚していたことが、以下の箇所に啓示されている。

使徒6:1-6

1 そのころ、弟子の数がふえてくるにつれて、ギリシヤ語を使うユダヤ人たちから、ヘブル語を使うユダヤ人たちに対して、自分たちのやもめらが、日々の配給で、おろそかにされがちだと、苦情を申し立てた。 

2 そこで、十二使徒は弟子全体を呼び集めて言った、「わたしたちが神の言をさしおいて、食卓のことに携わるのはおもしろくない。 

3 そこで、兄弟たちよ、あなたがたの中から、御霊と知恵とに満ちた、評判のよい人たち七人を捜し出してほしい。その人たちにこの仕事をまかせ、 

4 わたしたちは、もっぱら祈と御言のご用に当ることにしよう」。 

5 この提案は会衆一同の賛成するところとなった。そして信仰と聖霊とに満ちた人ステパノ、それからピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、およびアンテオケの改宗者ニコラオを選び出して、 

6 使徒たちの前に立たせた。すると、使徒たちは祈って手を彼らの上においた。 

 そして使徒行伝十五章を読むと、エルサレム教会には使徒たちの他、長老たちのグループがいて、教義に関する非常に重要な協議をし、合意の上で全教会に及ぶ決定を下していることが啓示されている。

使徒15:1-6

1 さて、ある人たちがユダヤから下ってきて、兄弟たちに「あなたがたも、モーセの慣例にしたがって割礼を受けなければ、救われない」と、説いていた。 

2 そこで、パウロやバルナバと彼らとの間に、少なからぬ紛糾と争論とが生じたので、パウロ、バルナバそのほか数人の者がエルサレムに上り、使徒たちや長老たちと、この問題について協議することになった。 

3 彼らは教会の人々に見送られ、ピニケ、サマリヤをとおって、道すがら、異邦人たちの改宗の模様をくわしく説明し、すべての兄弟たちを大いに喜ばせた。 

4 エルサレムに着くと、彼らは教会と使徒たち、長老たちに迎えられて、神が彼らと共にいてなされたことを、ことごとく報告した。 

5 ところが、パリサイ派から信仰にはいってきた人たちが立って、「異邦人にも割礼を施し、またモーセの律法を守らせるべきである」と主張した。 

6 そこで、使徒たちや長老たちが、この問題について審議するために集まった。 

  このように新約聖書は、複数の責任者による合議性をもつ教会政治形態を啓示している。上述の人物は、単独の牧師に対する権威の集中が、現代の教会における問題の元凶であると指摘している。確かにその意見は間違っていないと思うが、それならば一つの地域教会に同等の権威をもった複数の牧師を立て、政治形態を長老制にすれば問題は解決するのか、というと私は大いに疑問を感じる。教会の政治形態も勿論重要であると思うが、それよりも根本的問題は地域教会を動かす「霊」にあると確信している。なぜなら、長老制によって運営されている教会にも、監督制や会衆制、そして非統治制によって運営されている地域教会と同様に、様々な問題やスキャンダルが過去に発生したし、現在も発生しているからである。

 使徒ペテロやへブル人への手紙は、その長老たちの霊に関して、長老自身の立場と、彼らに指導に従うべき立場の両方から、その重要性を啓示している。

Ⅰペテロ5:1-4

1 そこで、あなたがたのうちの長老たちに勧める。わたしも、長老のひとりで、キリストの苦難についての証人であり、また、やがて現れようとする栄光にあずかる者である。 

2 あなたがたにゆだねられている神の羊の群れを牧しなさい。しいられてするのではなく、神に従って自ら進んでなし、恥ずべき利得のためではなく、本心から、それをしなさい。 

3 また、ゆだねられた者たちの上に権力をふるうことをしないで、むしろ、群れの模範となるべきである。 

4 そうすれば、大牧者が現れる時には、しぼむことのない栄光の冠を受けるであろう。

へブル13:17

あなたがたの指導者たちの言うことを聞きいれて、従いなさい。彼らは、神に言いひらきをすべき者として、あなたがたのたましいのために、目をさましている。彼らが嘆かないで、喜んでこのことをするようにしなさい。そうでないと、あなたがたの益にならない。 

 

)へ続く