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夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

見よ、彼は、雲に乗ってこられる

出エジプト40:33-35

33 また幕屋と祭壇の周囲に庭を設け、庭の門にとばりをかけた。このようにしてモーセはその工事を終えた。 

34 そのとき、雲は会見の天幕をおおい、主の栄光が幕屋に満ちた。 

35 モーセは会見の幕屋に、はいることができなかった。雲がその上にとどまり、主の栄光が幕屋に満ちていたからである。 

  モーセが主なる神の命令に従って会見の幕屋とそれにまつわる全ての仕事を終えた時、神はまるでその仕事に承認の捺印をするかのように、「雲」によって会見の天幕を覆い、主の栄光がその中に満ちた。その栄光の顕現があまりにも輝かしかったため、神の僕モーセでさえもその中に入ることができなかった。

 事あるごとに神はご自分の聖さを会見の幕屋を通して示していた。そこには選ばれたレビ族の祭司たちだけが、様々な条件を満たしたときのみ中に入って祭司としての務めをすることができた。律法に背いて自分勝手に中に入ることは、「死」を意味していた。実際、大祭司アロンの長男と次男は、祭壇の火以外の火で香を焚いて主の前に近づいたため、主の前から火が出て焼死してしまった。 

レビ10:1-3

1 さてアロンの子ナダブとアビフとは、おのおのその香炉を取って火をこれに入れ、薫香をその上に盛って、異火を主の前にささげた。これは主の命令に反することであったので、 

2 主の前から火が出て彼らを焼き滅ぼし、彼らは主の前に死んだ。 

3 その時モーセはアロンに言った、「主は、こう仰せられた。すなわち『わたしは、わたしに近づく者のうちに、わたしの聖なることを示し、すべての民の前に栄光を現すであろう』」。アロンは黙していた。 

  会見の幕屋は、聖所と至聖所によって構成されていたが、至聖所は最も聖い場所で、そこには「神の箱」が納められていて、大祭司であっても一年に一度だけ、贖罪の生け贄の血を携えてのみ中に入って主の前に近づくことが許されていた。その神の箱に関して、ダビデ王の時代に強烈なエピソードが記録されている。

Ⅱサムエル6:1-7

1 ダビデは再びイスラエルのえり抜きの者三万人をことごとく集めた。 

2 そしてダビデは立って、自分と共にいるすべての民と共にバアレ・ユダへ行って、神の箱をそこからかき上ろうとした。この箱はケルビムの上に座しておられる万軍の主の名をもって呼ばれている。 

3 彼らは神の箱を新しい車に載せて、山の上にあるアビナダブの家から運び出した。 

4 アビナダブの子たち、ウザとアヒオとが神の箱を載せた新しい車を指揮し、ウザは神の箱のかたわらに沿い、アヒオは箱の前に進んだ。 

5 ダビデとイスラエルの全家は琴と立琴と手鼓と鈴とシンバルとをもって歌をうたい、力をきわめて、主の前に踊った。 

6 彼らがナコンの打ち場にきた時、ウザは神の箱に手を伸べて、それを押えた。牛がつまずいたからである。 

7 すると主はウザに向かって怒りを発し、彼が手を箱に伸べたので、彼をその場で撃たれた。彼は神の箱のかたわらで死んだ。 

  ウザはただ神の箱を手で支えようとしただけだったが、それは最も神聖なものを冒涜する行為だったのである。勿論、その金箔で覆われたアカシアの木でできた箱の中に神が入っていたわけではないが、神は律法を通してそのようにご自分の聖さを啓示するように定めていたのである。

 そのダビデ王も「主は自分の心にかなう人」と呼ばれていたが、その統治期間中に数々の戦争によって流した血にゆえに、神にエルサレムの神殿を建築することを許されなかった。

Ⅰ歴代22:7-10

7 すなわちダビデはソロモンに言った、「わが子よ、わたしはわが神、主の名のために家を建てようと志していた。 

8 ところが主の言葉がわたしに臨んで言われた、『おまえは多くの血を流し、大いなる戦争をした。おまえはわたしの前で多くの血を地に流したから、わが名のために家を建ててはならない。 

9 見よ、男の子がおまえに生れる。彼は平和の人である。わたしは彼に平安を与えて、周囲のもろもろの敵に煩わされないようにしよう。彼の名はソロモンと呼ばれ、彼の世にわたしはイスラエルに平安と静穏とを与える。 

10 彼はわが名のために家を建てるであろう。彼はわが子となり、わたしは彼の父となる。わたしは彼の王位をながくイスラエルの上に堅くするであろう』。 

 そのソロモンが、主の命令通り神の宮を建て、至聖所に神の箱を配置したとき、モーセの時のように雲が主の宮を満たし、祭司たちはその中に留まって仕えることもできなかった。

Ⅰ列王8:10,11

10  そして祭司たちが聖所から出たとき、雲が主の宮に満ちたので、 

11 祭司たちは雲のために立って仕えることができなかった。主の栄光が主の宮に満ちたからである。  

  やがて来る大患難期にエルサレムに第三神殿が建てられ、その至聖所に反キリストが座することになる預言に関しては、もうすでに言及した。

無邪気ではいられない(4)エルサレムの第三神殿の建設 - an east window

共観福音書の読み比べ:反キリストが、聖なる場所に立つ時 - an east window

 非常に意味深い点は、主なる神の対応である。反キリストが第三神殿の至聖所に立ち、その場所を冒涜するがままするのである。なぜ、神聖なる神の箱に触れたので打たれたウザのように、反キリストを撃たないのだろうか。主の栄光である雲によって第三神殿を満たし、反キリストが神聖な場所に立つことを阻止することも問題なくできるだろう。神の預言者モーセや選ばれた祭司たちさえ、あまりの神聖な顕現に中にとどまることすらできなかったのである。歴史上、最も不法で邪悪な存在である滅びの子が、至聖所を汚すままにするのを許すのだろうか。

 このことは、地上に建てられる第三神殿が、主なる神の目にはどの様な存在であるかを暗示している。同じときに、キリストがその最も神聖な座に座し、地上からキリストの血によって贖われた人々が昼も夜も神に仕えている天上の真の幕屋、神の神殿が存在しているからである。

黙示7:14-17

14 わたしは彼に答えた、「わたしの主よ、それはあなたがご存じです」。すると、彼はわたしに言った、「彼らは大きな患難をとおってきた人たちであって、その衣を小羊の血で洗い、それを白くしたのである。 

15 それだから彼らは、神の御座の前におり、昼も夜もその聖所で神に仕えているのである。御座にいますかたは、彼らの上に幕屋を張って共に住まわれるであろう。 

16 彼らは、もはや飢えることがなく、かわくこともない。太陽も炎暑も、彼らを侵すことはない。 

17 御座の正面にいます小羊は彼らの牧者となって、いのちの水の泉に導いて下さるであろう。また神は、彼らの目から涙をことごとくぬぐいとって下さるであろう」。 

黙示11:16-19

16 そして、神のみまえで座についている二十四人の長老は、ひれ伏し、神を拝して言った、 

17 「今いまし、昔いませる、全能者にして主なる神よ。大いなる御力をふるって支配なさったことを、感謝します。 

18 諸国民は怒り狂いましたが、あなたも怒りをあらわされました。そして、死人をさばき、あなたの僕なる預言者、聖徒、小さき者も、大いなる者も、すべて御名をおそれる者たちに報いを与え、また、地を滅ぼす者どもを滅ぼして下さる時がきました」。 

19 そして、天にある神の聖所が開けて、聖所の中に契約の箱が見えた。また、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴と、地震とが起り、大粒の雹が降った。  

  確かに主なる神は反キリストが第三神殿の至聖所に立つことを許されるだろう。しかし裁きの日には、真のキリストを地上に送り、反キリストと偽預言者を来臨の輝きをもって滅ぼされるだろう。その方は、大能と輝かしい栄光を帯びて天の雲に乗ってくるだろう。モーセが会見の幕屋で見た雲やソロモンが第一神殿で見た雲よりもさらに栄光と義に満ちた「雲」に乗って。

ダニエル7:13,14

13 わたしはまた夜の幻のうちに見ていると、見よ、人の子のような者が、天の雲に乗ってきて、日の老いたる者のもとに来ると、その前に導かれた。 

14 彼に主権と光栄と国とを賜い、諸民、諸族、諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であって、なくなることがなく、その国は滅びることがない。 

黙示1:7

見よ、彼は、雲に乗ってこられる。すべての人の目、ことに、彼を刺しとおした者たちは、彼を仰ぎ見るであろう。また地上の諸族はみな、彼のゆえに胸を打って嘆くであろう。しかり、アァメン。