an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

初めての死は殺人(2)二つの質問

創世記4:8-10

8 カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。 

9 主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。 

10 主は言われた、「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。

 「弟アベルは、どこにいますか」。何と重い質問だろうか。主なる神の問いかけは、空の墓を見て困惑したマグダラのマリヤの質問とは違っていた。「アベルの亡骸をどこに置いたのか」ではなく、「弟アベルは、どこにいるのか」と聞かれた。当然、全知の神はアベルの魂がどこにいるのかご存じであった。しかし、カインはそれを知らなかったのである。何しろ人類史上初めての死者だったからである。カインは宗教的嫉妬と憎悪に満ちた心によって、弟アベルを全く未知の死の世界に「突き落として」しまったのである。カインは本当に知らなかった。だからこそ、その自分の行為とその取り返しのつかない結末の恐ろしさに慄き、心を引き裂き悔い改めるべきだったのである。それゆえ主は質問された。「あなたは何ということをしたのか」と。

 多くの人は、自分の罪が、死を知らなかった御子イエスをどれほど恐ろしい所に追いやったか知らない。しかし、その責任の重大さを良心が薄々感じているから、カインのように頑なになって答えるのだろう。「知らない。自分とイエス・キリストの死と何の関係があるんだ」と。

 しかし聖霊はさらに問いかける。「あなたは何をしたのか」。そして続けて言う。「アベルの血の声は土の中から私に正義を求めて叫んでいたが、御子の血は天の至聖所からあなたに罪の赦しを語りかけている。だから悔い改めて罪の赦しを受けなさい」と。

へブル12:22-24

22 しかしあなたがたが近づいているのは、シオンの山、生ける神の都、天にあるエルサレム、無数の天使の祝会、 

23 天に登録されている長子たちの教会、万民の審判者なる神、全うされた義人の霊、 

24 新しい契約の仲保者イエス、ならびに、アベルの血よりも力強く語るそそがれた血である。 

 私達は幸いなことに、神の永遠の裁きや地獄について、聖書の教えを聞いたり、想像することでしか知らない。しかし、私とあなたの罪が、神の御子を私たちにとって未知の裁きの下に追いやってしまったことを自覚しなければならない。神の呪いが私たちにとって未知のままでいるのは、罪を知らない御子が、私たちの代わりに神の呪いと裁きを十字架の上で背負って下さったからであることを決して忘れてはならない。

 

「初めての死は殺人」(1)

http://eastwindow18.hatenadiary.com/entry/2013/09/02/165520

 

聖書引用

口語訳 (c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1954,1955