an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

『舟を編む』を観て

 本日から日本に一時帰国している。帰りの飛行機の中で、『舟を編む』という映画を観た。普段、日本の映画を見る機会はないが、想像していた以上にテーマも作りも秀逸だと思った。ページをめくる音や鉛筆が紙の上を走る音は、何とも言えなく心地よい感じである。以前ある説教者が、礼拝での説教の時に信徒が聖書を開いてページをめくる音を、「神の足音」と表現したことを想い出した。また「初めに言葉ありき」というヨハネの聖句が引用されていた(信仰とは全く関係ない使われ方だったが)。

 一つの言葉の大切さ、聖書の一句一句をよく吟味し、遜って神の声と光を求め、そしてそれを人々に誠実に伝える。「聖書の民」として、そんな本質的な生き方をしたい、という願いを静かに刺激してくれた作品であった。