an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

安全な所

詩編12

聖歌隊の指揮者によってシェミニテにあわせてうたわせたダビデの歌

1   主よ、お助けください。神を敬う人は絶え、忠信な者は人の子らのなかから消えうせました。 

2  人はみなその隣り人に偽りを語り、へつらいのくちびると、ふたごころとをもって語る。 

3  主はすべてのへつらいのくちびると、大きな事を語る舌とを断たれるように。 

4  彼らは言う、「わたしたちは舌をもって勝を得よう、わたしたちのくちびるはわたしたちのものだ、だれがわたしたちの主人であるか」と。

5  主は言われる、「貧しい者がかすめられ、乏しい者が嘆くゆえに、わたしはいま立ちあがって、彼らをその慕い求める安全な所に置こう」と。 

6  主のことばは清き言葉である。地に設けた炉で練り、七たびきよめた銀のようである。 

7  主よ、われらを保ち、とこしえにこの人々から免れさせてください。 

8  卑しい事が人の子のなかにあがめられている時、悪しき者はいたる所でほしいままに歩いています。  

 ダビデ王が置かれていた状況を想像してみて欲しい。

  • 神を敬う人は絶え、
  • 忠信な者は人の子らのなかから消えうせました。 
  • 人はみなその隣り人に偽りを語り、
  • へつらいのくちびると、
  • ふたごころとをもって語る。
  • 「わたしたちは舌をもって勝を得よう、わたしたちのくちびるはわたしたちのものだ、だれがわたしたちの主人であるか」。
  • 貧しい者がかすめられ、
  • 乏しい者が嘆く

 不敬が蔓延り、公正や実直をもって生きようとする人はいなくなり、偽り、偽善、卑しい諂い、背き、裏切り、傲慢が野放しに力を持ち、弱者が搾取されることによって困窮と悲嘆が蔓延している状態である。ダビデは真っ先に「主よ、お助けください」と叫んだが、それ以外に何ができたろうか。

 たといそんな恐ろしい状況にあったとしても、主は私達の叫びに答えてくださる。「わたしはいま立ちあがって、彼らをその慕い求める安全な所に置こう」と。

しかし、その「安全な所」とはどこにあるのか。 

主のことばは清き言葉である。地に設けた炉で練り、七たびきよめた銀のようである。 

 神の御言葉は、どのような厳しい状況に置かれていたとしても、純粋で偽りのない、完全な信頼に値する、魂の避け所である。