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an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

什一献金について(2)

什一献金について(1)の続き

3.新約聖書の教え:

  • 2.において什一に関するキリストの教えについて書いたが、新約聖書全体においても、什一献金をキリスト者の義務としている教えは一節もない。新約聖書で「十分の一」と和訳されている単語は、単数形7回(マタイ23:23;ルカ11:42;18:12;へブル7:2、4、6,9)、複数形3回(へブル7:5,8,9)使われているが、「救われたキリスト者は全収入の十分の一を神に捧げなければいけない」という什一献金制度の教えを擁護する節はただの一つもない(是非、実際に聖書を開いてそのことを確認していただきたい)。
  • 特に、合計十回の内、七回使われているへブル七章は大変興味深い。「1.旧約聖書の教え」ところで既に書いたが、この章には、アブラハムが大祭司メルキセデクに十分の一を捧げたエピソードを引用しているが、その引用の目的は、恵みにおける大祭司イエス・キリストが、律法における大祭司アロンよりも偉大な方であることを説明するためである。決して、ある人たちのように、什一献金制度の教えを擁護するためではない。もし教会の普遍的教えの一つとして読者に伝えたかったならば、この箇所を引用して説明することもできたはずである。しかし聖霊はそのようには霊感を筆記者たちに授けなかった。什一献金制度が聖霊によるものではないからである。
  • パウロやペテロ、ヤコブ、ヨハネ、その他の使徒たちの誰一人、什一制度を教えている人はいない。それぞれ初期教会の責任ある立場についていたにもかかわらず、である。彼らはユダヤ人ではあったが、レビ族ではなかったので、もしそれを望んでいたとしても、許されていなかったからである。
  • 使徒行伝15章には、「信仰によって救いを受けた人も割礼を施し、モーセの律法を守らせるべき」かどうかについて、使徒や長老、教会が集まり、エルサレムで審議が行われた様子が記述されている。激しい議論の末、ペテロやパウロ、バルナバが発言し、最終的にヤコブが意見をまとめ、その合意に到達した意見を手紙にして諸教会に送ることになった。手紙の内容は以下の通りである。「あなたがたの兄弟である使徒および長老たちから、アンテオケ、シリヤ、キリキヤにいる異邦人の兄弟がたに、あいさつを送る。こちらから行ったある者たちが、わたしたちからの指示もないのに、いろいろなことを言って、あなたがたを騒がせ、あなたがたの心を乱したと伝え聞いた。そこで、わたしたちは人々を選んで、愛するバルナバおよびパウロと共に、あなたがたのもとに派遣することに、衆議一決した。このふたりは、われらの主イエス・キリストの名のために、その命を投げ出した人々であるが、彼らと共に、ユダとシラスとを派遣する次第である。この人たちは、あなたがたに、同じ趣旨のことを、口頭でも伝えるであろう。すなわち、聖霊とわたしたちとは、次の必要事項のほかは、どんな負担をも、あなたがたに負わせないことに決めた。それは、偶像に供えたものと、血と、絞め殺したものと、不品行とを、避けるということである。これらのものから遠ざかっておれば、それでよろしい。以上」。 (使徒15:23-29)聖霊の導きと教会の合意によって決められた必要事項の中には、什一献金の教えはない。
  • 使徒パウロは、自分が開拓したコリントの教会に対して、献金に関する教えをかなり具体的に書き送っている(Ⅰコリント16:1,2;Ⅱコリント8章;9章)。しかしこれらの内容は、エルサレム教会の貧しい聖徒たちを助けるための献金についてであり、什一献金に関しては語っていない。

以上のように、新約聖書の中には、「信じて救われた者は、その全収入の十分の一を神に(教会に)捧げなくてはいけない」という教えを支持する聖句もしくは記述は、一か所もないのである。

しかしながら、この結論は今まで什一献金を言われた通りに行ってきたキリスト者の選択を批判するものではない。信仰によって捧げてきたのならば、金額や割合の故にではなく、まさにその信仰によって神に受け入れられているからである。ただ、「神に捧げる」という行為に対してより聖書的な意識を持つことによって、捧げる側だけではなく、捧げられたお金の管理の責任を委ねられた側も、本来の目的である「神に対する畏れと喜び」をもって管理できるようになる、と私は信じている。お金では買えない喜びをもって神に捧げられたお金が、もし神の望んでおられない利己的虚栄のために浪費されたとしたら、その喜びさえも損なわれてしまうのだから。

 (3)に続くhttp://eastwindow18.hatenadiary.com/entry/2013/09/11/051421