an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

心の琴の音

卑怯者

2002年のデボーション・ノートから、こんなメモが... まともに韻を踏んでいないけれど、その時の心の状態を思い出させる文なので、書き写しておきたい。 今、あの時から成長したと思えない自分がいる。 『卑怯者』 差し出された黒い手から 目をそらす 卑…

「Θ」の文字が刻みこまれたリベルテンの家族の石碑

ボローニャ市立考古学博物館のエントランスに展示してある、紀元前一世紀後半から末の時代の石碑。 左の初老の男性とベールで頭を覆った女性は、それぞれ「リベルテン」つまり奴隷としての社会地位から解放されローマ市民権を獲得していた人物(使徒行伝6:…

「家族」のゆくえ

ポーランド人作家 Igor Morskiの作品 ボートの上にいる母親と水面に映りこんでいる父親は、コインの裏と表のように一体で同じボートに乗っているようだが、実はそれぞれが反対の方向に行こうとオールを漕いでいる。画面を対角に切るオールから、力の対立と緊…

イスラエル産のナツメヤシの実(デーツ)

近所のスーパーにイスラエル産のナツメヤシの実(デーツ)が売っていたので、思わず買ってしまった。今まで見たナツメヤシの実の中では一番大きい種類のもので、大人の手の親指ぐらいの太さがある。味は何となく干し柿や甘納豆のような独特の甘さをもつ。緑…

イタリアのとあるレストランのメニュー(2)

WEB上で見つけた妙な日本語のメニュー 「怒ってペン」:語感が痛快だが、おそらく【Penne all'arrabbiata ペンネ・アッラッラッビァータ】のことをだろう。すぐ下に【ペンネ・アッラ・ウォッカ Penne alla vodka】があり、なぜ同じ「ペンネ」なのにいきなり…

「色」を失うことで顕れるもの

先日、読者の方から日本の彼岸花(別名:曼殊沙華、イタリア語名は【Giglio ragno rosso】で直訳すると【赤蜘蛛ユリ】である)の写真が一枚送られてきた。久しぶりに見るその鮮やかな色に感動していたのだが、同じ方から次の日に同一の写真のモノクロームの…

アルキジンナジオの回廊に反射する光

アルキジンナジオの回廊正面の建物の窓ガラスに夕陽が反射して、思わぬところに光が差し込んでいた。 少し前に撮っていた写真だが、昨日投稿した写真のことを考えていて、自分の中で無意識に「暗闇に射し込む光」とか「何かに反射する光」とかに魅かれる傾向…

バジリカの入り口から射し込む光

Basilica di Santa Maria dei Serviの正面入り口から差し込む光 石の塊が闇にかたちを失い、光自体がかたちをもつ。 ヨハネ1:1-5 1 初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。 2 この言は初めに神と共にあった。 3 すべてのものは、これ…

テストーニ通りでみかけた情景

通りがかったテストーニ通りのある建物の入り口から見た情景。廊下の奥から射し込む光が、モザイクの床面に青白く映り込んでとても美しい。ちなみに床面にある「Salve」は祝福の挨拶「幸いあれ」、もしくは口語的な使い方で「こんにちは」というニュアンスを…

一瞬の光

昼間でも薄暗い裏道に射し込む一瞬の光。 反射光に霞む空気に、思わず立ち止まってしまう「何か」を感じる。 記憶、存在。 そして何事もなかったかのように、 角を曲がって喧噪の中に入っていく。

『The Birth of a Nation』を観て

THE BIRTH OF A NATION Movie TRAILER # 2 (2016) 『The Birth of a Nation』を観た。私はあまり映画には詳しくないが、 黒人奴隷問題をテーマにして制作された映画で黒人が監督したものは、ネイト・パーカー監督のこの作品と、スティーブ・マックイーン監督…

空のような先生

スマートフォンのニューススタンドで見つけたいい話。 小学生のとき、少し知恵遅れのA君がいた。 足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅い。 でも、絵が上手な子だった。 彼は、よく空の絵を描いた。 抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。 …

歩道のカルガモ

日曜日に教会に向かって歩いていたら、何とカルガモが一羽、じっと日向ぼっこしていているではないか。車の交通が非常に多い外周通りの歩道である。近くに池も公園もないような地区なので、あまりの唐突さに立ち止まってじっと観察してしまった。 この時期で…

「9.11の再調査」を求める声

次期アメリカ合衆国大統領のトランプ氏が9.11事件に関する再調査を開始するだろう、という情報がネット上に拡散しているようだが(どうも情報の真偽が不確かなのでリンクは付けないことにするが・・・)、たといそれが全くのデマであったとしても、ある…

カゼルタ宮殿のパラティーナ礼拝堂の「傷跡」

南イタリアのナポリ市から約20kmのところにあるカゼルタ Casertaの宮殿に行ってきた。世界遺産として認定され、様々な映画のロケにも使われている18世紀の宮殿の壮大さとその内部の装飾の壮麗さは実に驚異的だが、私の関心を奪ったのはパラティーナ礼…

胡桃の木

宿泊しているアグリツーリズモにあるクルミの大木の幹。 ねじ曲がり、裂け、虫食い、今にも倒れそうな幹にもかかわらず、その葉は瑞々しく、心地よい木陰をつくっている。何より、今でも毎年大きな籠一杯になるほど実を結ぶという。 人生における様々な試練…

ミンチョ川のボルゲットにて

ここ数日、ガルダ湖周辺でちょっとした家族旅行の時を過ごした。計画など立てず、地元の人たちに勧められるまま、小さな村や城跡を巡った。 特に気に入ったのが、ガルダ湖から流れ出るミンチョ川沿いにあるボルゲット Borghetto(「小さな村」という意味)と…

フラサッシ鍾乳洞(2)

(フラサッシ鍾乳洞入口の前にそびえたつ岩山) フラサッシ鍾乳洞が1971年に発見されたエピソードは、とても興味深い。Ronaldo Silvestriという一人の青年が、夏の日照りで乾燥し、むき出しになっていた岩肌に、自動車のハンドルぐらいの大きさの穴を見…

フラサッシ鍾乳洞(1)

イタリア中部マルケ州にあるGrotta di Frasassi フラサッシ鍾乳洞へ行ってきた。その名の通り、険しい岩山の谷間にある洞窟で、世界で三番目に大きいものらしい。 残念ながら写真撮影は禁止されていたので、添付した写真はネット検索で見つけたものだが、実…

モリネッラの「傾いた鐘楼」

ボローニャ市から約30kmのところにある、人口1万5千人ほどの町モリネッラ(Molinella)。町の中心の通りには、その名も「傾いた鐘楼」(Il Campanile Pendente)という塔がある。 イタリアではこのように傾いた古い塔や建物は特に珍しくないが(一番有名…

シチリア出身のシドッティ宣教師について

www.christiantoday.co.jp 朝日日本歴史人物事典の解説 シドッティ 没年:正徳4.10.21(1714.11.27)生年:1668イタリア人在俗司祭。シチリア島パレルモ生まれ。ローマ大学に学ぶ。ローマ教皇庁法律顧問ののち、教皇の特使として日本に向かう。宝永5(170…

エゴに束縛され、引き裂かれた魂

ロベルト・サント氏の作品 ナルシシスティックで閉塞的なエゴ(自我)が、 渦巻くようにまとわりつき、 もろく空虚な魂を自ら引き裂いてしまっているように見える。 この時代の病んだ痛みをよく表現していると思う。 関連記事:

壊れたチェロ

二週間前にこのマエストロの工房に訪れた時は、一台の壊れたチェロが隅に立てかけられていた。表の響板が割れ、側板にも何か所か穴が開いていて、マエストロに「こんな傷んだチェロでも、修復するのですか」と聞くと、「この楽器と同じぐらい古い木があるか…

誰にもできないことをしてくれた人

福原希己江 -- できること 思い出を忘れたいなら さあ、あたしが 消しゴムで消してあげるわ 安心しておやすみなさい。 凍えるような寒い朝も 揺れる大地も 体に刻まれた記憶が あなたを強くするのでしょう。 やがては土に帰るとわかっていても この気持ちは…

とっておきの写真

今年見た中で一番気に入っている写真。 この写真を撮ったのは、子供の世話を任されたお父さんではないかと思う。 きっと、そうだと思う。 愛情までたくさん写っている。 いつか親子二人でソファーに並んで座って、この写真を見ながら大笑いするのだろう。 Ⅰ…

Paul Robesonが歌う『Were you there when they crucified my lord?』

Paul Robeson - Were you there when they ... Youtubeで偶然、私が中学生の時に地元の図書館で借りて何度も聞いていたゴスペルを見つけた。その深い声に混じったレコードの雑音まで同じなので感動してしまった。 当時は何も知らないで聴いていたが、このPau…

森の木琴による『主よ、人の望みの喜びよ』

TOUCH WOOD SH-08C「森の木琴」篇 - YouTube とても楽しくて心が和むビデオを見つけた。自然の中でのアプローチに、日本的な感性を感じる。最後の携帯の広告が個人的には残念に思うが。 ちなみにこのバッハ作の美しい曲は、主イエス・キリストに対する一人の…

その人はずっと私を待っていた

無責任な言動で、 弱きものを死に追いやり、 「ごめんなさい」も言えない卑劣さは、 自暴自虐に逃げ込んだ。 新地の光も、 偉人の知恵も、 肉の悦びも、 自傷の痛みも、 汚物にまみれた地下室の 扉を開けることはできなかった。 その人は入ってきた。 扉は固…

バロッツィ館の螺旋階段

ボローニャ市から約25kmのところにあるヴィニョーラ(Vignola)のバロッツィ館(Palazzo Barozzi)にある美しい螺旋階段。 手摺の上にあるリボンのような形した鉄の金具は、この建物を管理していた神父が、当時預かっていた子供たちが手摺に跨って滑り降…

斜塔の下の教会の中で

ボローニャの斜塔の隣にあるBasilica Collegiata Dei S.S.Bartolomeo E Gaetano(バジリカ・コッレジャータ・デイ・サンティッシミ・バルトロメオ・エ・ガエターノ)の内部。 街の雑踏から逃れて一息つくために教会に入って座っていたら、夕暮れの光に照らさ…