an east window

夜明けとなって、明けの明星が心の中に上るまで

ボローニャ

「苦難の花」「復活の花」

何故かボローニャの自宅の近くには、「パッションフラワー」もしくは「時計草」と呼ばれる、なんとも不思議な花の垣根がいくつもある。その特殊な形の雄蕊や雌蕊から、キリストの十字架の苦難を表すものとして「パッション」フラワーという名前がつけられた…

時に適った問いかけ

昨日の記事でミケランジェロについて触れたが、そのことが私にとってある重要な出来事の記憶を思い出させた。 ボローニャに移り住んでしばらく、目に映るものの全てが自分に語りかけているように感じ、町中を歩き、モノクロームの写真を撮りまくっていた時期…

梅の花

帰宅を急ぐ人々が行き交う街の片隅で、梅の花が咲いていた。「立ち止まって私を見て」とばかりに煌々と光を放つショーウィンドウの余光で淡く浮き立つ花は、まるで内側から光を放っているかのように見え、しばらく立ち止まって魅入ってしまった。急ぎ足の人…

やるせなさ

ボローニャのマッジョーレ広場。昼間には人々が行き交い、出会い、おしゃべりしたりする空間だが、さすがに冬の雨の日の夕食時となると、人の姿はまばらになり、濡れた石畳に映り込む光は、哀愁を帯びて見える。 少々感傷的になっていると、以前この広場で出…

暗い裏道

中世の頃ユダヤ人のゲットーの入り口だった所に抜ける裏道。 「キリスト教の世界」と「ユダヤ教の世界」が、威圧的に高く積み上げたレンガによって、人為的に分離されていた時代からある細い道。 ゲットーはなくなったが、街灯に照らされていてもまだ暗く、…

キリストの命によって生きる

以前、ボローニャ市の中心街にあるマーケットの魚屋に随分威勢のいい兄さんがいて、魚が入ったケースを持ち上げては、小刻みに揺らし、しゃがれているのにやたらよく通るあの独特の声で、「生きてるよ、新鮮だよ、新鮮!」と叫んでいた。確かに、魚は箱の中…

古い城壁

自宅の近所に十三、十四世紀頃の城壁の一部が百メートルぐらい残っている。イタリアでは特別珍しいものではなく、実際近くを通り過ぎる人が立ち止まって観察していることはほとんどみかけない。しかしよく考えてみると、都市国家だったボローニャにとっては…

この世の杯

機会があると、時々目的もなくアンティークの雑貨屋を見たりするのが好きなのだが、今日は1925年から続いているという店のショーウィンドウに目が止まった。何気なく置いてあった切子ガラスのゴブレットに、フリーメーソンのシンボルが堂々と刻み込まれ…

空の色、時のしるし

マタイ16:1-4 1 パリサイ人とサドカイ人とが近寄ってきて、イエスを試み、天からのしるしを見せてもらいたいと言った。 2 イエスは彼らに言われた、「あなたがたは夕方になると、『空がまっかだから、晴だ』と言い、 3 また明け方には『空が曇ってまっ…